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思い その74「子ども食堂 地域社会の自己治癒能力か」


ご飯 イラスト「子ども食堂」という言葉を初めて聞いた時、正直、何のことか正確には分かりませんでした。「子どもが社会勉強のために食堂の模擬店でもやっているのかな…」くらいのイメージしかありませんでしたけど、それが一つの社会的ムーブメントであるという事を知って、少々驚きました。東京都の大田区で個人の方が開いた「こどもが1人でも安心して来られる無料または低額の食堂」というものがそもそもの始まりらしいのですけど、別の何かの記事で読んだものがそこの方のものかどうかは判然としないのですが、記事の中に「ご飯を十分に食べられない子供がいることを知って」とあったように記憶していますので、この食堂を始めた方の言葉であるように思います。それは少々お歳を召した女性の方で、確か「助けてくれ、って言葉をまず聞けないようじゃ、どうしようもない」というその言葉に、単純すぎるかもしれませんが、私は大いに共感しました。

「助けてくれ」。人は他の人に対してその言葉を伝えられるからこそ「社会」、特に「地域社会(コミュニティ:Community)」が成立するのだと思っています。何故なら、それこそが「助け合い」「互助」という「地域社会」のコアであると考えているからです。その方は、お腹が空いて「助けてくれ」というシグナルを出してきた子供に無償で食事を提供し、それが一つの社会的ムーブメントまで発展していったという事実を、衰弱していた「地域社会」の「自己治癒能力が発動した」と考えられないでしょうか。その方はさらに言います。「子供はお腹がいっぱいになると、こちらから何も言わなくても一人で色々話し始める」、確かそのような言葉であったと思います。ここに「地域社会」の「プリミティブ(原初的:Primitive)」な成り立ちの形があると考えます。

まず「皆が食べて生きていけること」、そして「その中で様々なコミュニケーションが起こり」、「人と人がつながっていく」、それがまさに地域社会ではないかと思います。いささか「キレイごと」的に考えているような気もしますが、そこに起こっていることをそれ以外に説明できないのです。

このサイトの中でもいくつか書いてきましたが、稼業なるものが地域から無くなって、職住があまりにも遠距離となり、社会の最小単位である家族の一体感が薄れ、「生きること」が「消費」となり、生活といった感覚が希薄になる。その結果、「自己責任」なる「まさに無責任」な言葉によって他者への無関心を正当な事であるかのような鈍感を生み出し、人と人とのつながりが弱くなり、地域社会は有名無実なものへと成り下がってしまう。シャッター街、あちこちに散見する空き家、少子化、思惑だけで次々に生まれる介護ビジネス、介護施設…。それらが、成れの果ての姿として顕在化しています。

何事もそうですけど、あることが「皆の認識として明確になった時」、実はそれよりも相当以前にそれは明らかに起こっている、という「認識と状況変化」との大きなズレ、乖離はよくあることです。バブルなどが良い例ですが、今の地域社会崩壊もとっくの昔に起こっていたことです。気が付いた時は手遅れ、とはよく言いますが、現状がまさにそうではないかと嘆息したくなります。

しかし、その中で先に述べた、「助けてくれ」という言葉を聞き、「それに力を貸す、助ける」動きが出てきているではないですか。名称として「子ども食堂」の名が用いられ始めたのは2012年(平成24年)であるとされているようですが、それは先の東京大田区での動きからではないでしょうか。その頃には地域社会はとっくに疲弊し、少子化、格差社会、子供の貧困がとっくに問題となっていた時期です。そこに「子ども食堂」なる動きが出てきたのが「地域社会の自己治癒能力」であると強く感じるのです。それが各地で、まさに「アッという間に」と表現したくなるほどに広がり、国や自治体も、後追いのようにその支援を(毎度のことですけど)遅ればせながらチマチマと始めているようです。

ちなみに、この記事を書こうと思ったきっかけは、「子ども食堂」といった活動に自分が関わるとは全く思っていなかったのですけど、昔の職場の上司からこの「子ども食堂」について相談を受けた時、正直、少なからず驚いたからです。こんなに身近なものとして広がっているのか…。その相談とは、「子ども食堂」の活動をNPO法人として立ち上げた方々が、どうにも立ち行かなくなって、経理だけと手伝っていたそのかつての上司の方が中心となって立て直しを図るため、サイト作り等を手伝ってくれないかというものです。NPO法人設立を最初に考えた人は、それが「法人」であり「事業」であるということを軽く考えられていたのでしょうか。NPOとはいえ法人となれば、登記から運営・管理等々、会社を設立するに等しい作業が必要となります。ですから、とりあえずはボランティア活動として個人の集まりでやればよかったように思いますけど、NPO法人として登記したからにはそれなりの煩雑な手続き・運営が必要となります。

「子ども食堂」サイトの設計をしていると色々と考えてしまいます。地方自治体や、企業などがやっている支援事業だけではとても活動に必要な資金や設備の調達は難しいのが現実です。一般への寄付のお願いも必要となりますが、一部のNPOでは「物販」による利益を活動資金とする試みを始めているようです。お手伝い程度の私がどれだけの貢献ができるか分かりませんけど、偶然か必然か、このような状況になった以上、できるだけ自分も「子ども食堂」なる活動について考えてみたいと思います。まずはサイト作りのお手伝いから手を動かしますが、いかに資金調達を図るかは事業です。しかし、その領域はあくまでも地域社会に根付くものでなければならないと思っています。

「蟷螂の斧」であろうとも振いましょう。オヤジになってますます世の中を斜めに見やすくなっていますが、この動きは私にしては珍しく「素直」な目で見られるのです。きれいごとだけで進められる活動ではありません。が、その先にいる何人かの子供を本当に「助ける」ことができれば、この地域社会もまんざらではない、そう思えるのです。

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