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思い その70「会社で作られた脳が、定年で会社を離れる時…」


会社 イメージマナーの問題に関しては尽きることもなくあらゆる場面で語られますが、まあ、早い話、全人類がマナーなるものをちゃんと守れるなどとは全く思いません。そもそもがマナーとは「行儀・作法(英語: manners)」であり、その目的は「人間が社会の中でお互いに気持ち良く生活していくための知恵」でしょうけど、これほど簡単で分かりやすく、お互いの利益になることが、これほどぞんざいにされているというのも、皮肉っぽく言えば、知恵を持った社会的動物である人間様が、いかに出来損ないでいい加減な生き物であるかが明白となり、面白いものです。当然自分も含めて。このマナーの問題を具体的にダラダラと書いてしまえば、この記事は六尺褌のごとく縦長になりますのでそれがどうのこうのというのはこの辺にしておいて…。

ですが、その「マナーの悪さ」についての記事をWEBで目にしました。ニュースソースは「プライムニュース イブニング」。記事内容は「相次ぐ高齢者のマナートラブル」とやらで、電車の席に荷物を置いて、違う駅から乗ってくる仲間の席を確保する年寄りのマナーの悪さや、車の運転で煽り運転の果てに相手の車を強引に止めて、暴力までふるう高齢者(若い奴だけじゃないってことです)や、店に目当ての商品がないからといって店員を怒鳴りつけるクレーマー、駅員に暴力をふるう老人などなど。不良老人が増えているということでしょうかね。で、そうした事が起きる原因は「高齢者の自分勝手は”社会的な孤独”が一因」であるとか。予定調和的な括り方です。

しかし、その記事の中に、ある医者の面白い見解が書かれていました。少し表現を整理して要点をまとめると、定年後の男性は「自分が怒りやすくなった、自分勝手な行動が増えた」と自覚している人がけっこう多く、「邪魔者扱いされている」という被害者意識も持っているようで、その原因として「サラリーマン(今や生活者の殆ど)は定年まで何十年も会社に通っています。そうすると、その『脳』は会社で作られます。その脳は会社に行くことによって働きます。しかし、定年後(会社を離れてから)に、その脳の何割かが使えなくなります」、で、それが自分自身に対するネガティブな感情につながっていくのだそうです。この考え方、大脳生理学的に根拠があるとは思えないので、多分、この医者の経験的な見解でしょう。しかし、けっこう説得力のある考え方であると思います。なるほど、です。

もし一つの会社で(リストラされず)何十年も過ごしたとすると、その人は生活の殆どを「会社」で過ごすことになります。思考も理解も行動も、そこを中心的な「場」として行われることになります。しかし、定年(これって、ホントに変な制度。私はフリーランスですから関係ないけど)となってその会社という「場」を否応なく放り出されると、全く違った「場」に身を置くことになります。自分が殆ど知らなかった「生活圏」という「場」です。推察するに、つまり、全く違う環境に放り出されて、その「会社で作られた脳」は戸惑い、適応困難に陥るということです。たとえば、そこには自分の命令で動く人などいません。自分がやるべきことも改めて「作る」必要が出てきます。物理的には「自分の机&椅子」という場所もありません。細かいことを言えば、昼飯を食べる環境や、夜、居酒屋で一杯、なんてのも景色としてはけっこう劇的に変わるのではないでしょうか。

で、会社では動いていた脳の何割かが、生活圏では動かなくなり、周りの人や状況に対する理解力・判断力が欠落してしまう、ということでしょう。その結果として、その「新しい場」で孤立・孤独に陥っていく、という道筋ができる訳で、前述の医者は、それが「衰え」につながっていくとしています。

これはある保険屋のおばさんから聞いたことですけど、彼女は色々な家庭を見ていて、夫が定年を迎え生活がまるっきり変わった時、新しい生活に順応していくために一番大切なのは「妻のサポート」だとか。食事や洗濯や日々の買い物等々、そうした事に疎かった亭主を妻がサポートして徐々に慣らしていけば、なんとかやっていけるようになるようです。もしその妻のサポートが、どちらに原因があるかは別にして上手くいかないと、定年後離婚、なんてこともあり得るそうです。

私、フリーランスなもので自宅で仕事をする機会が多いのですが、その時、気分転換に家人と買い物に行ったり近くを散歩したりしますけど、けっこうそれなりのお歳の夫婦が一緒に散歩していたり、買い物していたりするのを目にします。その時、旦那さんは奥さんの後をついていくような、失礼な言い方ですけど、子供の様に、奥さんの方がリードしているように見えます。夫唱婦随ではなく婦唱夫随でしょうか。

その時には、それまでのご夫婦の在り方がモロに反映するのでしょう。定年なんて変な制度だと思いますけど(「変 その61」に「定年という侘しい制度について…」なんて記事を書きました)、会社ってところで作ってしまった脳なんか、奥さんにジャブジャブと気持ちよく洗濯してもらってスッキリとさせましょう。「会社・社会」っていう茫漠としたものではなく、「生活」という現実のものが見えてくると思いますよ。

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