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思い その50「いまだに流れる昭和ブルース… この世に生んだ♪ お母さん…」


考える 何のことやら…と思われるような訳の分からないタイトルを掲げてしまいましたが、私にとってはこのような心象風景(?)になってしまうのです。知っている人は知っている(私と同世代?)、天知茂の「昭和ブルース」…。昭和の世はとっくに終わり、今や平成の時代。しかし、ある新聞の記事を目にした途端、この歌が頭の中に流れてきたのです。その記事とは、厚生労働省が発表した2016年版「労働経済の分析」、いわゆる労働経済白書に関するものです。その中で、現政権(アッベー!:某野球チームの応援風に)が目指している「転職のしやすい社会への転換」の背景となる、現実の「働き手(労働者)」の意識(気持ち)に関する調査です。

その調査結果をかいつまんで書けば、「できるだけ一つの企業で長く勤めることが望ましい」「どちらかといえば望ましい」と考える人があわせて60.7%で、「企業に囚われず流動的に働けることが望ましい」「どちらかといえば望ましい」の計16.6%を上回ったようです。まあ、上回った、というより「企業に囚われず…」と考える人が「殆どいないも同然」といった方がよろしいかと思います。やっぱ、終身雇用がいいのね…。

で、「ひとつの企業で一生働き続けることは可能だと思う」「どちらかと思えばそう思う」は計35.8%にとどまっているそうです。ただ、この答えだと、それが「自分の気持ちとして」のものなのか、「不確定要因によるもの」なのかがよく分かりません。つまり「同じところで働き続けるのは平気」と思っているのか、「働き続けたいけど、この時代、会社がいつどうなるか…」ということなのかということです。

と思っていたら、次のような質問がありました。「倒産や解雇はいつ起こってもおかしくないと思う」「どちらかといえばそう思う」。で、そう思っている人が計38.8%。ということは数字が合うので、先の質問は「不確定要因に関して」のことで「でも、どうなるか分からないよなあ」という気持ちが後ろについているということですね。「頼まれりゃ、一生いてやってもいいぜ」とかではない訳で…。つまりは「ずっと職(会社)が安定してりゃいいけど、今の時代じゃそうはいかないだろうな…」って気持ちですね。よく言えば無常観。悪く言えば諦め。

この記事を目にして、なぜ、「昭和ブルース」が頭の中に流れてきたかといえば、「できるだけ一つの企業で長く勤めることが望ましい」との答えがあまりに多いと感じたからです。それが「何もしないで♪生きてゆくなら♪それはたやすいことだけど♪」という歌詞とダブってしまったのです。高度経済成長期へと向かう戦後の昭和社会。まさに「終身雇用」と「年功序列」はそこで生まれました(確立したのは昭和40年代でしょう)。経済は右肩上がりですから、雇用はドンドンと生まれ、賃金も年々上がっていきました(元が低いからもある)。皆、会社に所属し、滅私奉公することで家が建ち、マイカーが手に入る時代です(未来を担保としたローンですが)。

しかし、その頂点となるバブルの崩壊で、それまでの成長神話がスッ飛びます。アメリカではすでに「ゼロサム社会(アメリカの経済学者サローが提唱:要は麻雀のようなもの。全員が勝つことはなく、誰かが勝てば誰かが負けて、その均衡が続く)」の兆候が70年代には表われていた時代で、やがて世界中が次々に呆然とするような時代へ入っていきます。(そうじゃない新興国もありますが)日本だけが「我が世の春を謳歌」し続けられるわけがありません。小学生でも分かる理屈です。とはいえ、多くの日本人にとっては「あり得ないこと」であり、「被害者意識・現実逃避」の殻の中に閉じこもり続けるしかない時代が続いたのでしょう。「昭和ブルース」の「何も知らずに♪生きてゆくなら♪それはやさしいことだけれど♪」。

「何もしないで生きていく♪」「何も知らずに生きていく♪」、しかし、否が応でも逃げられず、思い知らされる時期がやって来たのです。今がまさにそうなのでしょう…。あの経済的乱痴気騒ぎが終わってから「失われた=何もしていない、知らなかったことにする、無かったことにする」時代を長く過ごして、今、ようやく現実を突きつけられているのでしょう。実はとっくの昔に、21世紀を迎えた辺りで不都合な事実がどうしようもなく顕在化し始めていたのに。「昭和ブルース」はもう聞こえないのです。

「なんにもせずに♪死んでゆく♪」。この辺りが沁みますなあ…。さらに続く白書の調査結果では「自分の能力や経験が転職の際にどの程度評価されるか」との問いに、「大いに評価される」「ある程度評価される」と答えた人は計42.7%。しかし「まったく評価されない」「あまり評価されない」と答えた人も37.4%と五十歩百歩。「評価される」と答えた人の気持ちには「筈だ」が付いているような…。いえ、茶化すつもりは全くありませんが、多分、転職をそれほど経験されていないはずなので、あまり根拠のない自信のように思えるだけです…。現実は、どんなに有能でもなかなか評価されず、憤ることが多いでしょう。それが事実です。その理由は、「人を評価する基準を社会が培ってこなかったから」です。これは根が深い。

「生まれた時が悪いのか♪それとも俺が悪いのか♪」。そのどちらでもありません。ずっと昔からそんなものだと思えば、世の中の理屈はシンプルです。もし「自分には実力がある」と思われている方、それまでの環境(会社、人間関係みたいな不安定なもの)から離れて、一人でまず月に10万円でも稼いでみてください。それができれば「社会で生きる力あり」です。できなければ、自分が実力と思っていたものは「与えられたもので、自分で得たものではない」ということです。

「この世に生んだ♪お母さん♪あなたの愛につつまれて♪」。そんなのがあれば、いいなぁ…。

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