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思い その37「あの世を信じる=この世を諦める、なのか…」


あの世?WEBで調べ物をしていたら、面白い(不謹慎失礼)データに出くわしました。統計数理研究所が、1953年以来5年ごとに「日本人の国民性調査」という社会調査を実施しているらしく、その2013年の調査で、「あの世を信じるか」という項目で、「1958年は信じる人が全体の20%、2008年は38%、2013年は40%」という結果が出ているようです。
20歳台だけで見ると、2013年は45%が「信じる」と答えているようです。1958年には13%だったのが、3倍以上に増加しています。更に男性で見てみると30%、女性は49%…。この差は何なのか…。しかし、1958年と比べると両者ともそれぞれほぼ倍増で、比率的には同じです。

70歳以上で見てみると31%でこれはかつての37%と比べると少し下がっています。自分の世代の男性という事で見てみると、19%から40%へ倍増しています。

数字というものは面白いもので、それは事実を厳と語っていますが、それを読もうとすればするほど、往々にして深読みに陥る事もあります。しかし、傾向として次のような事が言えるのではないでしょうか。

1958年は、1956年に発表された経済白書(副題日本経済の成長と近代化)の中で、太平洋戦争後の日本の復興が終了したことを指して「もはや『戦後』ではない」との言葉が謳われましたが、まだまだ世の中は「貧しい」状態が当たり前の時代であったと思います。しかし、あの形容しがたい亡国の戦争から復興の道を歩み、その力強さは「未来志向」への意識を高揚させたはずであると考えます。

つまり、「頑張れば、今よりももっと良くなる」と信じられる空気が世の中に溢れていたのではないでしょうか。事実、やがては高度経済成長の時代を迎えます。しかしらながら、その果てに「バブル」という、その夢を弾けさせる事態が待っていました。まさに「泡沫(うたかた)の夢…」。

そして、「失われた10年」とやらを経て、今の(予定調和的な表現ですが)「格差社会」、新聞の言葉を借りれば「報われない社会・時代」へと突入し、社会全体が、息苦しい「閉塞感」に包まれているのは事実でしょう。

つまり、「現実」がなんともアクティビティを失い、未来への「夢」をなかなか持てない「停滞感」が世の中に蔓延しているのでは、ということです。2011年には未曾有の大震災が日本を襲い、それまで日本の経済を支えていたと信じていた原発が、その安全神話の「嘘」を露呈し、この国に4度目の被曝(ヒバク)をもたらします。

現実の世界から「夢」が消えたのでしょうか。その代替物として「あの世」が現れてきたのでしょうか。それさえ無いのなら「救われようがない」と…。

そう言えば、と思う事があるのですが、私より若い世代が「占い」や「オカルティズム」に惹かれるのを不思議に思った事があります。それらを否定するつもりはないのですが、例えば「パワースポット」と言ったように、すべての深層に「現実逃避・否定」の力が働いているように感じます。

大袈裟に考えすぎという事は認めつつ、ふと「厭離穢土、欣求浄土」という言葉を思い泛べました。これは徳川家康の旗印に見受けられますが、元は一向宗の信者が掲げた言葉で、家康は軍事的に民衆の力を動員せざるを得ず、その旗印を掲げていたわけで、家康自身が一向宗の反抗には三河で相当に苦しめられています。一向宗は浄土真宗へと統合されますが、家康が一向宗に帰依していたという事実は無かったはずです。

で、この言葉、大意としては「戦国で穢れたこの世を離れて、阿弥陀如来が救いをもたらす浄土(あの世)に行く事を願い求める」という意味ですが、(まさかと思いたいですけど)そんな気分が現代の中にもあり、それがデータの示すような数字になって表れているのでしょうか…。

現代社会が如何に閉塞感に覆われていようと、かつての戦国時代とは比べ物にならないと思います。しかし、絶対的な悲惨さではなく、相対的に「現世否定」のような気持ちがあるとしたら、それを完全に否定する事はできません。

間違っていたらごめんなさいですけど、70歳以上の方はもともと37%と、四割近い人が「あの世」を信じていたのは時代的なものであると思いますし、今に至って31%ということは、それほど変わっていないのではないかと思います。70歳ちょうどであれば「戦後世代」で、日本の復興を目の当たりにし、今は現役を引退されている世代です。つまり、「団塊の世代」の初めにあたる世代で、それなりに強い日本の中で後半生を過ごされた方々です。
という事は、「あの世を信じ始める」傾向を持つ世代は、その後からです。もし、その後の世代に「現世否定」の流れがあり、「厭離穢土、欣求浄土」に近い雰囲気が醸成されつつあるとしたら、かつての「一向宗」のように、戦国武士さえも悩ませるような一大勢力が生まれるのでしょうか。まさか…。

とはいえ、かつてのオウム事件や、今のISに向かおうとする日本人の若者がいるという話を聞くと、なにやらゾッとします。

「あの世を信じる」が「この世を諦める、見限る」ということにつながらない事を願うばかりです。

お茶らけて言う訳ではありませんけど、「この世」が、どれほど居心地の悪い所(差別、格差、貧困~)であろうとも、まだまだ捨てたものではありません。今の所、ミサイルは飛んで来ませんし、爆弾も振って来ません。

「あの世」なんて、いずれ間違いなく行きますから。その時に何があるのか。行ってみなけりゃ、分かりませんよ。

ハイ、数字を見るとやはり深読みしてしまいますね。ただの傾向値として、「時代の気分」程度に思うべきですね。

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