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思い その33「グローバリズムが育むナショナリズム


グローバリズム最近関わっている仕事で、そこのボスが盛んに「グローバリズム」なる言葉を連発しています。で、「グローバリズム=英語力」だそうで、まさにステレオタイプ。「ステレオタイプ(英: Stereotype)」とは、判で押したような先入観、思い込み、偏見、差別などの紋切型の考えの事です。もう連発するのでゲップが出そう…。

そも「グローバリズム(英:Globalism)」なるものをどう理解しているのでしょうか。辞典的には「汎地球主義」。国家の枠をこえて地球レベルで「一つの世界」という考え方。実際には「経済」で実体を持つ言葉だと思いますが、環境問題やテロ対策等でもその傾向が強まっています。

この言葉自体に何か文句がある訳ではありません。これだけのネットワーク(交通網、通信網)が出来上がってしまえば、畢竟、そうなってしまうのは必然でしょう。しかし、それが実体を失った観念として喧伝されれば、そのカウンターとして「ローカリズム(英:localism)」、「リージョナリズム(英:regionalism)」という「地域主義」が生まれてくるのも必然です。

現に「グローバリズム」なるものが引き起こしているのは、「富の均等な広がり」ではなく「富の集中=格差」です。そして、その格差の「貧」側に強い地域主義が起こるのは当然です。それは、ナショナリズムであり、「地域偏愛」的な感情です。

嘗ての、大国による「植民地」主義とは違います。それは武力を背景とした支配であり、いずれ、敗れています。しかしグローバリズムは経済というシステムとして拡大し、気が付けば「植民地」時代同様の搾取を惹き起こし、システムですから容易にそれを破壊する事はできません。

で、対抗策はテロリズム。テロ行為を認める言葉など持ち合わせてはいませんが、それが起こってしまうのはグローバリズムのおかげで、自分の拠るべき国や地域さえも失ってしまった「搾取された側」の人々の抵抗です。まずい事に、それがナショナリズムと結びついてしまえば、大義名分を得て、事態はドロ沼に入って行ってしまいます。

誤解を恐れずに言うならば、それは「旧世界への懐古」「旧世界秩序の復興」です。自分たちを縛り付けているものが世界規模のシステムであるなら、それと隔絶した地域を手に入れる事が必要になります。つまり、グローバリズムの及ばない地域を。

例えてみれば、ですが、逆の見方をすれば、最初からグローバリズムの中で生きなければならなかった「ユダヤの民」や「華僑の人々」は、なぜ、国も持たず、世界各地で千年二千年の時を生き抜き、民族的アイデンティティーを失う事も無かったのか? それは、必要としての強いナショナリズムを共有していたからに他ならないでしょう。

どちらも同じなのですが、そもそも人間の認識・世界観には「水平線」があると思います。つまり、自分のアイデンティティを感じられるのは少なくとも、お互いが接し、自分の目で見、自分の足で移動できる範囲という事です。地球の裏側同士の者が、同じ「世界」を共有できるというのはあり得ません。

それは自然な事で、それをナショナリズムとは呼びません。それこそ本当の「地域」であり、「文化」として共有できるものであると考えます。

とまあ、そんな論を突き詰めて行けば、「日本は鎖国せよ」なんて素っ頓狂な考えに傾きかけるのですけど、SFなどで登場する「地球連邦政府」なるものが絶対に現れないとは言いきれませんが、相当に先の事でしょう。今現在のグローバリズムは「世界的なストロー現象」を惹き起こしているのではないでしょうか。「ストロー現象」とは、富裕な地域を目指して、貧しい地域の人々が移動し、結果、地域の疲弊が起きてしまうという事。ハイ、今の日本がそうです。同じ事が世界規模で起きると考えるのは不自然ではありません。

疲弊した地域に一体何が起きるのか? 具体的に何々と考えるとキリがありませんが、間違いなく訪れるのは「不安定」でしょう。

あたかも「地球主義」的な大義名分を掲げるグローバリズムが、世界規模での不安定化を生み出しているという皮肉。

ナショナリズムはカウンターなのです。地域でごく自然に生きる、暮らすという事が出来るところにナショナリズムなんてものは生まれようがありません。それを、壊して行くからカウンターが生まれるのです。

その壊して行くものが、グローバリズムなる、身勝手な考え方では…。世界が「多様性」を失って、一色に染まってしまうとしたら、ゾッとします。

それを分かって、あたかも「夢のグローバリズム」ってな感じで話している人は、かつてヨーロッパに存在した悪魔的な独裁者の演説の前で陶酔している聴衆の一人みたいなものですよ。グローバリズムを語り、ナショナリズムに酔う。まさに倒錯としか言いようがありません。矛盾どころではない…。

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