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思い その26「活字離れ? 本離れ、雑誌離れ、出版社離れでしょ」


本屋「活字離れ」という言葉が喧伝されて、どれくらいになるのでしょう? この言葉を目にした時から違和感を感じていました。その理由は、何だかんだと言っても、人は「言葉、文字」によってコミュニケーションを取っていますから。テレバシーを使える人は別ですけど…。そのもとになる「活字」から人が離れていくのかいな…? 一応、自分なりに納得できる答えとしては、「活字=出版物」として考えれば、「=本が売れなくなっている=出版事業が苦しくなっている」という事ではなかろうかと思っていました。

それを現す記事が先週の朝日新聞にありましたが、読んだ感想は「やっぱりね」。要約すると、出版業界は縮小の一途で、9年連続の市場縮小(売上縮小)とか。最盛期(1996年)の65%の水準だそうで、書店も当然ながら減少し続けているらしい。つまりは、出版業界が「事業的に苦しい」という事。

何のことはありません。「活字離れ」「若者が本を読まなくなった」とか、あたかも(問題のある)社会現象(傾向)のように言われ続けていましたが、ただの「出版事業衰退」というだけの話です。これは、ずっと昔から指摘されていた事で、私としてはその原因を大きく二つであると考えています。ひとつは、大手出版社の企業努力不足(=面白いものを作れない)。もう一つは、商品流通(商売)としての不健全さ。これは書籍だけに限った事ではないのですが、出版物は書店が「売れ残った本」を返品します。つまり、商品が書店へ納められた時点で、書店側には「債務」が発生しないという事です。当然、出版側にも「債権」は発生しません。食品雑貨なども、昔から同様で、日本の場合、「商流(取引)」と「物流(商品の移動)」が一致しません。売れなければ「返品」です。小売店はそれで在庫の負担から逃れますが、それは同時に、「売れなければ返せばいい」という、「売ろう」とする努力を阻害する事でもあります。まことに不健全。

それは同時に、「作る側と売る側のリレーション(協力)」も同時に阻害します。特に出版業界は「再販売価格維持制度」で守られ、店頭での販売価格を指定でき、独禁法での特例(利権)を持っています。新聞及びレコード盤、音楽用テープ、音楽用CDも同様です。かつては他の業界もこの特権を持っていたようですが、それはその業界団体が強くて、国に圧力をかけて得た(買った?)ものでしょう。

つまりは「作る努力をするための情報フィードバック」ができていないという事です。どうりで、面白くない本や雑誌ばかりが増えたような気がしていました(歳による好みの変化もありますが…)。出版社にとっては、特に「雑誌」の利益率が高く、これがかなり落ち込んでいるようです。つまり、ドル箱が無くなってしまった訳です。

出版業界の不振を「活字離れ」などという言葉でズッと言ってきた訳です。「うちの作った本や雑誌が売れないという事は、人が活字を読まなくなった」という主張です。アホらし。インターネットの利用時間は今や「雑誌・マンガ・本」の倍近くに伸びているようです。「メディア」が変わっただけじゃないですか。誰も「活字」から離れていません。出版業界の言う「活字」は「商品」ですから、この場合、活字というより「文字」と言い換えた方がいいのでしょうか。「文字離れ」なんか起きていませんし、人の知識欲は変わっていないでしょう。

KADOKAWAとドワンゴの経営統合には、中々興味深いものがあります。ただ、単に「売る側」が強くなるのではこれまでと同じなので、もっと、「作る側」との協力関係が促進されれば、きっと、面白いものができるのでは。

「活字=文字」であれば、「文字離れ」なんて起きていないでしょう。インターネットがここまで大きくなるとは予想していなかっただけでは? 電子書籍にしても「売る側」だけの思惑では普及しないでしょ。現に、期待されつつもそれほど伸びていないようです。電子書籍端末の出荷台数は予測の半分程度だとか。そちらの都合で作るからです。

最近では「返本」から、書店もリスクを負う「買い取り制」への動きが一部にあるそうですが、遅い! 食品流通などはとっくに取り組んでいます。やはり、業界全体の「長年の慣行」とやらが厚い壁だそうで、これがこの国のあちこちで機能不全を起こしているのでしょう。

大丈夫ですよ、「文字離れ」は起こしていませんから。端末の画面に映る「文字」をみんな、毎日眺めていますよ。もちろん、個人的には良い「本」作りを願っていますけど…。

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