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怖い その8「幽霊だらけの家で、一人住まいだそうです…」


一人暮らしこれは学生時代の事ですけど、直接の知り合いではないのですが、友人がアルバイトをしていた小さな製作プロダクションの社長の話です。その社長に直接お会いしたことはありません。その頃でもうそこそこのお歳の方のようでしたから、今もお元気かどうかわかりません。

私の友人が、アルバイト先にものすごく面白い社長がいるとよく話していました。その製作プロダクションは社長と社員数人の本当に小さな会社だったようですけど、その社長の人望なのか、大手広告代理店や映画会社の営業が出入りしていて、けっこう業績も良かったようです。その方の何が面白いかというと、聞いた話では、風貌がムーミンパパのようで、性格はオットリ型。社長のくせにあまりお金に拘らないそうで、若い広告マンや映画会社の営業をよく飲みに連れて行くらしく、その時の話が面白いのだそうです。

その昔、傘一本だけを持って東北から東京に出てきて、アチコチを飛び込みセールスのようにして仕事を探し、住み込みの仕事を見つけて、それからずっと東京にいらっしゃるそうです。その人の話で面白い事は、とにかく「幽霊、妖怪変化、お化け等々」の話を、当たり前の世間話のように飄々と語るそうです。それが面白いらしい。私は直接聞いたことが無く、友人からの又聞きでしか知らないので、その本当の面白さは分かりません。面白い話はその語り口で決まりますから、いつかは何かの機会を見つけて会ってみたいなとは思っていました。しかし、友人がそのアルバイトを辞めて(どうも何か問題を起こしたらしい)、結局その機会は実現しませんでしたけど、又聞きの中で私が一番面白い、というか興味のあった話があります。

その社長、Bさんとします。Bさんは結婚はしないで、一人、多摩ニュータウンの方に家を建てて住んでいたそうです。家に遊びに行ったことのある人の話によると、けっこうゴージャスでモダンなお家だったそうです。当時の多摩ニュータウンですから、開発間もない頃で、まだ家もそれほどの密集度は無かったのではないかと思いますが、閑静な住宅地に一人で暮らしていたとの事です。

で、そのお宅には「出る」そうです。それも一人や二人(幽霊の数え方ってあるのですかね…。一霊、二霊とか…)ではなく、家族のようにあちこちにいるのだそうです。だから、そのBさんは、自分は独り暮らしではないと言っています。はあ、幽霊が家族ですか…。

それを聞いた広告代理店の若い猛者が飲みの席で「社長!面白い。僕、泊りに行きますよ!」。Bさん、いつでもどうぞ、と答えるそうです。しかし、Bさんの家に泊まりに行った人は誰もいないとの事。まあ、酔った勢いなら言えますが、余程の幽霊コレクター(っているのかな…)じゃない限り、家じゅうに「出る」ようなお宅に泊まりに行く剛毅な人はいないでしょうね。

で、私がその話のどこに一番興味を覚えたかというと、やはりある若手が「社長、そんな家に一人で住んでいて怖くないんですか?」と尋ねたそうです。そりゃ、そう聞きたくなりますよね。普通の神経じゃ、住み替えですよ。何でも家を建ててすぐに色々と集まって来たとか…。Bさん、その若手の質問に答えて曰く。「なんで?」。なんで…って、聞いた方も面喰うでしょうね、そう答えられると。

Bさんはこう語られたそうです。「あの人たち(幽霊ね)はみんな、可哀そうな人たちなんだよ。色々、あってね。時々、話を聞いてあげるんだけど」。幽霊の身の上話ですか。これを友人から聞いた時には「ほお…」と思ったというか、感心すらしました。「幽霊=可哀そうな人たち」。なるほど、そりゃそうかもしれない、と妙に腑に落ちました。

私がハッキリと人の形をしている幽霊としか考えられないものを見たのは、自分の祖母(らしい)の姿を子供のころに見ただけです。一度だけ。それ以来、人の姿をして、ましてや話ができるような、幽霊としか考えらえないものに出会った事はありません。まあ、幽霊らしい祖母とも別に話はしませんでしたが。その時の気持ちは、不思議と怖い(怖いのは怖いですよ)という気落ちよりも、何か「もの悲しい」気分を感じたような記憶があります。

当然ながら、幽霊は生まれた時(?)から幽霊だった訳ではなく、元は生きていた人ですから、それがまた人の前に現れるのは、「何かが言いたいから、何かを訴えたいから」ではないでしょうか。そう考えるとそのBさんの「可哀そうな人」というのは説得力があります。その訴えたい事が「恨み」であったとしても。

もし、機会があって、私がそのBさんのお宅に伺い、幽霊たちと話ができたら、ひょっとして幽霊に対する「怖い」という感情は「可哀そう」という感情に変わったかもしれませんね。しかし、その方たちが私に見えるのか、話ができるのか経験することはできませんでした。実際には、怖い方が勝って、行ったかどうかは分かりませんが…。

ちなみに、ある「霊感が強い」と自称する方に、「あなたは憑依体質だ」と言われた事があります。要は「霊に憑りつかれやすい」という事だそうですけど…。となるとそのBさんは多くの幽霊に「慕われて」いる訳ですから、特上の憑依体質かもしれませんね。でも、本人が望まないのにたくさん来たら、どうするんでしょう…。

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