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怖い その6「お岩さんのお墓は四谷にはありません」


お岩さんのお墓あの四谷怪談で有名なお岩さんのお墓は西巣鴨の法華宗陣門流長徳山妙行寺にあります。このお寺には浅野家遥泉院供養塔などもあります。四谷にあるのは「お岩稲荷」で田宮稲荷神社にあるそうです。お岩稲荷には行った事ありませんが、お岩さんのお墓のある妙行寺には行ったことがあります。行ったのは真夜中(深夜)ですけど。右の画像がそのお墓です。

日本の怪談のトップスターであるお岩さんは実在したらしく、鶴屋南北によって四谷怪談になってしまいましたが、実際のお岩さんはあのような悲劇の中で生きた方ではなかったようです。お岩さんそのものがこの編のテーマではありませんので興味のある方は調べてください。

で、なんでその妙行寺へ深夜遅く(確か夜中の1時くらい)行ったのかといえば、大学生の時ですが、深夜のスナックでバイトをしていて、スナックですから数人のオネーチャンがいます。その中の新人に面白い子がいて、仮にAちゃんとしておきます。この子、何でも霊感が強いとかで、店が終わってお茶飲み話でその手の話をしていました。ちなみに、「霊感が強い」っていう人は何故か女性に多い。その事はまたの機会に書いてみたいと思いますが…。

私は人の前であまり自分の「不思議・怖い」体験を話すことはないのですが、そのAちゃんの話につられて「実は俺も…」なんて話をし出すと話に興が乗り、自分が住んでいる(当時西巣鴨辺りに住んでいました)近くにお岩さんのお墓がある、と話したところ、Aちゃんが何を思ったか「行ってみよう!」と。もう夜中もいいとこで日付の変わる辺りです。最初は「アホか」と取り合わなかったのですが、どうしてもというので、まあ二人とも酒を飲んでるし、酔った勢いもあり、自分は家に帰る途中だからと、いく事になりました。どうせ、寺の門は空いていないと思いましたから。

タクシーで寺の近くまで行き、寺まで歩いて行きましたが、当然の事、薄暗い。街灯がところどころにある程度。多少怖いというのはありましたが、何度か他の編にも書きましたけど、私、比較的(人と比べてのレベル)お墓とか墓地とかがそれほど不思議な事に怖くはありませんので、Aちゃんと妙行寺の前まで行きました。門が閉まっていると思ったら、開いていました。

Aちゃんは平気で中にスタスタと入って行きます。私も仕方なしに付いて行きました。当然ほぼ真っ暗。結局、お岩さんのお墓が(見た事もありませんし)どこかわからず、帰る事になりました。で、お寺の外に出たのですが、Aちゃんが心なしか青ざめたような顔をして、「怖い」と呟きました。そりゃ、怖いだろうけど、行こうって言ったのアンタじゃない!

で、何と、今夜は怖いから私のアパートに泊めてくれと言い出します。ここだけを聞けば色気のあるお話なのですが、当のAちゃんは震えてはいませんが、真顔で「怖い」と言っています。仕方ないので「じゃあ、始発の都電で帰れよ」と言って、アパートに同行しましたが、昔の学生のアパートですからきれいな訳がない。ちょっと気は引けました。当然私は自分の机の椅子に座って朝を待とうとしました。

Aちゃんは妙に怖がっています。私が不謹慎に「お寺から、何か連れてきちゃったんじゃない」と軽口をたたくと、真面目な顔で「そうかもしれない」なんて呟きます。オイオイ…、です。で、一つの部屋に若い男女という、色気の一つもあっていいような状態ですが、とてもそんな雰囲気ではありません。私もなんか怖くなってきた。彼女には毛布を頭からかぶって座っています。私は椅子に座って夜明けを待ちます。寝るに寝られない。いつもは二人とも饒舌なのですが、特に話題も出てこない。ホンマに段々と怖さだけが増していく。

無言だと余計に怖くなってくるので「Aちゃん、ああいう所に軽い気持ちで行ったり、失礼なんかしたりすると、怒らせちゃうよ。そこにいる人を」なんて言ったらAちゃん、笑いもせずに「そうかもしれない…」なんて呟いて…。もう余計に怖くなってきました。電気は付けたまま。とにかく早く朝になれと思いました。怖いのでラジオのFENをかけていたのですが、ふと窓に目をやると、車のヘッドライトのような光がカーテン越しにスーッと通り過ぎて行きます。

それはそれで何とも思わなかったのですが、良く考えてみると、私のアパートの部屋は奥まっていて真ん前はよそのお宅で、窓を開ければそこはコンクリート。表の道は路地。車が通る訳もないし、ヘッドライトが差し込む訳もない…。そう思った瞬間、背中がゾッと!

そしたら、それに追い打ちをかけるようにAちゃんの潰れたような悲鳴。何なんだよ。Aちゃん、目を見開いて宙を見つめ、「今…、何かが飛んで行った!」。何か、白っぽいものがスッと出てきたそうで…。私が見てももうそこには何もいない。Aちゃんいきなりスックと立ち上がって「私、帰る。タクシーの通っている所まで送って!」。

結局、彼女はタクシーで帰り、私は一人でアパートに。寝られる訳がありません。するとまた窓のカーテン越しに、光のようなものがスーッと…。その時の気持ちを言葉にすれば「人の部屋に妙なものを連れて来て、自分はおさらばかよ…」。結局、朝まで一睡もできず。
次の日眠い目で妙行寺の門前まで行き、心の中で「昨夜はすいませんでした。失礼しました」とお詫びしました。そうせざるを得なかったのです。

それ以来私とAちゃんは何となく罰が悪いというか、それまでは仲が良かったのですが、急によそよそしくなったので、周りが変な勘繰りを…。天地神明に誓って、別に何もありゃしませんよ、彼女とは。

世に怖い物好きな人がいるとしたら、それは勝手ですが、そうした目に見えぬ者たちに、常に真摯な敬意を持つ事をお勧めします。感情的には同じではないでしょうか。夜中に酔っぱらってズケズケと自宅に入って行ったようなものですから、私たちは。怒られますよ…。

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