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怖い その52「棺桶は何故”桶”なのか… で、土饅頭という言葉をご存知ですか?」


桶子供の頃に聞かされた怪談を、ふと思い出すことがあります。その一つですが、設定は「昔」ということですが、駄菓子屋が登場しますからそれほど古い時代の事ではないでしょう。ある晩、駄菓子屋の戸をトントンと叩く音に店の亭主が店の戸を開けてみると、若い女性がそこに立っていて、飴を売ってくれないかと言います。まあ、店は閉めたもののお客さんですから飴を売りましたが、こんな夜に若い女性が飴を買いに来ることを訝しくは思ったものの、その時はそれほどおかしいこととは感じなかったようです。しかし、それから毎晩、店を閉めた後にその若い女性が店の戸を叩き、飴を売ってくれとお願いするようになったそうです。

さすがに亭主はその女性の事が気になって、いつものように飴を売った後、こっそりとその女性の後を付けて行ったそうです。するとその女性はある寺の墓地の中に入って行き、さすがに亭主は気味が悪くなりましたが、余計に気になり、墓地へと恐る恐る入って行ったそうです。女性の姿は見当たりません。その時、どこからともなく赤ん坊の声が聞こえました。耳を澄まして聞いていると、その赤ん坊の声はなんとお墓の中(土の中)から聞こえてきます。亭主は肝を潰して、寺に駆け込み、住職にそのことを告げ、墓地に戻ってみます。赤ん坊の声は住職の耳にも確かに聞こえました。

人を集めて、赤ん坊の泣き声が聞こえるその墓を掘り起こしたところ、棺桶(昔ですから桶の形)の中にはまだ新しい若い女性の遺骸が座った形で収められ、そしてその遺骸の懐に抱かれた赤ん坊が、飴をしゃぶりながら泣いていたというのです。どうやら、その若い女性が棺桶の中で赤子を産みおとし、乳をやれぬ赤ん坊のために夜な夜な飴を買いに来ていたということです。

怪談とはいえ、少々目頭の熱くなる話ですが、私は大人になってその話を思い出すたびに、昔は「土葬」の習慣がまだ残っていた訳で、墓の中で子供を産みおとすなんて、もしかしたらその女性はまだ「生きていた」のに埋葬されたのではないか…。そう思うと何やら怖くなってきます。何の事情があったか分かりませんが、身ごもって、まだ息のある人間がその腹の子と一緒に墓に埋められてしまったのでは…。そう考えると、その怪談に、もっとおどろおどろしい話が付け加わりそうになります。

現代の日本は基本的に「火葬」で、それは特に法律で決められていることではないようですが、一部の地域での慣習的な「土葬」を除いてほぼ100%が「火葬」だそうです。昔は火葬というと燃料などの費用がかかり、「土葬」が多かったそうですが、今では火葬場が整備され、伝染病などの問題、埋葬の土地の問題から「火葬」が普及したとか。「火葬」は仏教の伝来とともに伝わってきた「埋葬の一形態」だそうで、「土葬」中心の時代でも、平安の貴族たちの間では「火葬」が行われていたそうです。今では天皇皇后も火葬です。

ちなみに「柩」という言葉と「棺桶」という言葉があります。同じものですが、柩には「木棺」と「石棺」があり、古代の王族や有力な豪族は巨大な陵墓の石棺の中に遺体を納められます。「木棺」は木の柩で、今は殆どが長方形です。しかし「棺桶」という言葉がある通り、昔は「桶(おけ)」の中に座るようにして遺骸を入れていたということで、棺「桶」の名が残っているわけです。先の話の棺桶は桶の形ですね。

テーマにある「土饅頭(どまんじゅう)」とは、この棺桶を埋めたところの土を盛り上げたものです。これはある知り合い(故人)から聞いた話ですが、多分東の方の地方の事だったと思いますが、若い頃にはやはり「肝試し」で夜に墓地を訪れるというのは、いつの時代でも同じなのでしょう。その人も仲間数人と連れ添って、夜の墓地へ肝試しに出かけたそうです。で、墓地で仲間の一人がいきなり「ギャアッ!」と叫んで、その姿が消えたそうです。なんと、古い土饅頭を踏み抜いて、その下の棺桶の中に落ちてしまったとのこと。突然の事に騒ぐ友人を皆で棺桶の中から引き揚げようとした時、全員がこれまた「ギャアッ!」と一斉に叫んで、その棺桶に落ちた仲間を引き上げようとする手を放したそうです。

棺桶に落ちた仲間の背中に仏様(遺骸)がしがみついていたとか…。

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