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怖い その51「夜の海には、何かが蠢いている…」


夜の海私の趣味は釣りで、子供のころから楽しんでいます。陸からの投げ釣り、岩場を狙っての根魚釣り、岩の間を狙って釣るので「穴釣り」ともいいます。今では専ら、船やボートからの釣りを楽しんでいます。で、釣りには「夜釣り」というものがあります。夜に捕食が活性化する魚を狙います。夜アナゴや夜メバルにタチウオなど。海の深い所にいる魚も夜には比較的浅い所に上がって来るので、それを狙います。代表的なのはクロムツやキンメダイ。しかし、私は夜釣りが苦手、というより怖いのでやりません。

今まで全くやった事が無いわけではないのですが、今はやりません。子供のころからの遊びと云う事なら、比較的海の近い瀬戸内海の某地方都市で育ったので、よく素潜りで遊び、大人になってからはシュノーケルやフィンを付けて楽しんでいました。しかし、「怖いその41」に書いたのですが、アワビを狙って海に潜っていた時、岩陰で「人の顔」に出会い、それから海にはもう潜ることができなくなりました。それが錯覚だろうが何だろうが見たのは事実で、心臓が止まるほどに怖かった…。その後に海に浸かると、とにかくどう表現していいのか、気持ちが悪くなるというか(皮膚の感覚です)、とにかくダメです。

釣りは海の上からですので何ともないのですが、夜釣りだけはダメ、というかやらなくなりました。余談ですが、私は漁師の人の表現で云えば「海に強い」方です。つまり、船酔いもしませんし、時化のような海で相当揺れる船でもそれ程「恐い」とは思いません。海に潜って遊んでいたころは遠泳も楽にできましたし、深い所が「恐い」とも思いません。着衣の状態で泳ぐこともできました(着衣のままで泳ぐのは、やった事のない人は難しいですよ)。

夜の海で恐い目にあったと云えば、そりゃ確かに変な光を見たり、船の周りでグロテスクにうねるサメの姿を見たり(デカイし、恐いですよ)、水死体と思えるようなものを針にかけたり(これは昼間。あくまで感覚ですよ。でもそれを上げている私を見て、船長が糸を手にして針をいきなり外しましたが…)、それなりの思いと経験はしていますが、夜の海がダメというのは、直接的には夜の海に現れる巨大サメがキッカケなのですが、素潜りの時と違って、これという事件があった訳ではありません。とにかく、もうやりたくないのです。

ある日突然「怖く」なったと云う事ではなく、徐々に「怖く」なってきたのです。しかも、大人(オヤジ)になってから決定的に。海が「恐い」ではなく「怖い」になったのです。物理的・具体的に「恐い」ではなく、心情的・情緒的に「怖く」なったのです。明確に表現するのはやや難しいのですが、何度か夜釣りをやっているうちに「怖さ」が体に貼り付いてきたような…。今までは平気だったものが徐々に「怖く」なってきたのです。

瀬戸内海で、夜に浅場に浮いているタチウオをボート釣りで狙っていた時、その夜は満月で風も無く、幻想的な美しい夜の景色でした。ボートから海面は直ぐで、その海面を手で叩くと夜光虫が淡い燐光を発します。その光は真っ暗な海の上に小さな蛍の群れのように光るのですが、ふと、この夜光虫が海の底の水死体にビッシリとついて、人型の燐光が放たれているというイメージが湧いてきた時、ちょっとゾッとしました。夜光虫はプランクトンなので、海の生物の屍骸に付くのは不思議なことではありません。しかし、それが水死体だったら…。

深い海にいるクロムツなどが夜に浅場に上がってくるのを狙ったりする時、釣れたクロムツを狙ってサメが集まってくるなどというのは別に珍しいことではありません。相当にでかいサメが海面まで獲物を追ってきて、ウネウネする様は「恐い」ですよ。しかし、それよりも「怖い」と感じるのは、その海の中で「何かが蠢いている」ような感覚に襲われた時です。

船釣りで、夜釣りではなくとも冬の午前船などは釣りもののポイントに入った時は真っ暗ですが、これはまあ、まもなく陽が昇るのでいいのですけど、まだ夜の海面がウネっているのを見るのはちょっと嫌ですね。暗い中でウネっている海面を見ていると、何かがそこにいるような錯覚に襲われます。錯覚というよりイメージなのですが…。例えば、人の手が出てきそうな…。そう考え始めるともう怖くなります。暗闇の中というのは人に本能的な「怖さ」「怖れ」を抱かせるものなのでしょう。そして海というのはその下が全く分かりません。

昼の海と夜の海は全く違うのです。何かがそこらじゅうに蠢いているような…。古来より船乗りに、海の怪物伝説、怪現象伝説がまことしやかに語り継がれているのはそういう心理からなのでしょうか。暗い海面に何かがユラユラとしているのを見た事はありますが、はっきりとは見えません。とにかく今は夜の海に近寄らないようにしています(近寄れない)。

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