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怖い その39「なぜ高い所が怖いのか… そこに何がいるのか」


E&T自慢ではありませんが、私はかなりの「高所恐怖症」です。子供のころから今に至るまで。では、どれほど高いと怖くなるのかと云いますと、もちろん条件(周りが見えない、身体を固定されている等)によっても違いますが、自分の目で確かめられる高さとしては、建物の2階位が限界です。

とは言え、どこからが「高所恐怖症」なのかは、線引きが難しい。「症」となればそれはお医者様が必要になる世界ですが、ある解説によれば「高い所に恐怖心を覚えるのは当然で、それは正常。高い所が苦手なのは高所恐怖癖というべき」と、アッサリとした答えを何かで読んだことがありますが、もちろん、お医者様の治療を要する「高所恐怖症」も存在します。

しかし、先に述べた通り、ただの正常な生物としての反応なのか、それとも病的なものなのかは「線引き」が誠に難しい。何事もそうなのですが、「ハゲ頭論法(補足説明※41)」なるものによれば、「ハゲていない人から毛を1本抜いても、ハゲではない」という理屈で延々と毛を抜き続けたとしたら、どこからが「ハゲ」となるのでしょうか?

これと同じように「神経症」でも「境界線(ボーダーライン)」という、「病的なようなそうでもないような」領域が「正常」と「異常」の間に大河のように横たわっています。向こうなのか、こっちなのかの「線引き」が非常に難しいのです。

で、話を「高所恐怖症」に戻しますが、例えば海浜公園などにある鉄骨むき出しの「展望台」に階段で上る時、私は3階に上がる辺りで「足がすくみ」始めます。勇を振るって更に上がろうとしても、足が動かず、動悸がし始め、息苦しくなり始めます。やがて、そこから落ちてしまいそうな感覚に襲われて座り込んでしまう事もあります。展望台まではあと3階ほど上です。それを見上げただけでもうアウト。ほぼ四つん這いに近い姿で撤退です。

「じゃあ上がるなよ」と云われそうですが、新婚間もない時分で、家人がスタスタと展望台まで上がって行くのが亭主としては悔しくて、トライしただけです。すぐに自分が高所恐怖症である事はゲロしました。

これは、高所に行くかどうか自分で選択できる訳ですから、生活に支障はないので、「病的」とはいえないでしょう。中には「想像する」だけでアウトな人もいるようですから、これはお医者様の世話になるしかないでしょう。「飛行機恐怖症」になると、ビジネスで支障がでますし。私も飛行機はダメですが、必要に迫られて乗る時は真ん中で、乗った途端にすぐムリヤリ寝ます。

本題です。生物として高い所には「落下の危険」があり、それで「怖い」というのは正常であるという事は理解できます。しかし、私が分からないのは、よく「高い所から吸い込まれるように落ちてしまいそうな感覚」というものです。私も感じます。仕事で高層ビルに入っても、窓の方には行きません。安全であることは頭で分かっているのですが、まさに「吸い込まれそうな気分」に陥ってしまうのです。なぜ? 何かあるのでしょうか?

あの気分は、高い所が危険と感じるが故の感覚なのでしょうか。「そんな所にいると、落ちるぞ、落ちるぞ」ってな事を誰かに囁かれているのでしょうか。自分の脳が危険を察知して、警戒信号を送っているのでしょうか。しかし、なぜ「吸い込まれる」ような感じがするのか。

投身自殺が続く場所というのはあるそうです。私はどんなに苦しくても投身自殺はできない(なぜなら、そこまで行けないから)。東尋坊のように「名所」にまでなってしまう所があります。まさかと思いますが、そこなら「楽に死ねる」と思われているのでしょうか。

これはあくまでも私が感じる事ですが、「誘う者」がいるような気がします。古典的な心理学で云えば、人は皆、その心の中に「エロス(生の謳歌)」と「タナトス(死への誘惑)」(補足説明※34)を持っているとされています。人はそのバランスの上で生きていると…。
私の場合は「高所」でその「タナトス」が誘うのでしょうか。いや、私だけではなく多くの高所恐怖症の人は…。だとすれば、なぜ?

明確な答えが出せる訳ではありませんが、「自殺願望」なる言葉があるのも事実です。その人にとって「ある条件」が「タナトス」を発動させる誘引になるのでしょうか。その「条件」とは人それぞれなのでしょうけど、目には見えずとも、人の心の中にそのようなものがいるとすれば、怖い…。

たかだか、高所恐怖症という事だけなのですが、そのように考えると、人には「生を否定する」因子が内在しており、それがいつ姿を現すのか…。「怖い」と突然感じる時、人の心の中で「エロス」と「タナトス」が角逐しているのだとすれば、誰にでも絶対に近づいてはいけない場所があるのでしょう。高所のような明確な場所はともかく、パワースポットだの、降霊会だのと、軽々に近寄れば、「タナトス」の誘惑を知らずのうちに受けるかも…。

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