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怖い その30「押入れの奥に人の顔! 昼間で良かった…」


木目 人の顔話の冒頭で「ネタバレ」のような事を書きますが、この話、ほんの一瞬だけドキッとはしましたが、結論からいうとそれほど怖くありません。「じゃあ、書くなよ」と突っ込まれそうですが、書きたいので書きます。

つい最近、引っ越しをしまして、ようやく生活も落ち着いてきました。引っ越しといっても、元住んでいたマンションから歩いて10分もかからない所なので、環境としては殆ど変わっていません。で、引っ越しが完了すると物件の引き渡しとなりますが、不動産管理会社の人と元の棲家で待ち合わせです。距離が近いので必要書類だけを持って、サッサと済ませてしまおうと、ホント、近くですからサンダル履きで行きました。

部屋に入ると、当然そこはがらんどうの部屋。私は家というものに対しての「思い」というのは薄いのですが、やはり何年かは住んだ家ですから、多少は「懐かしさ」のようなものが湧き起こってきます。少し早く着いたので、和室の畳の上に転がっていました。天気も良く気持ちがいい。で、部屋の中を何となく眺めていたのですが、管理会社の人は物件の全てを見ますから、収納場所の扉は開けておいた方がいいのかなと思い、各部屋の押し入れや入口のドアを全て開けて回りました。全てが空っぽになった部屋を見ているとそれなりにかつての生活が思い出されます。「ああ、ここにはあれを仕舞っていたよな」とか「ここはあの家具を置いて、上にはあれを置いていた」とか。

で、最後に和室に戻って押入れの戸を開けた時、ギョッ! 少々薄暗いそこに、「人の顔」がありました。一瞬、ゲッ!、とも、グッ!、とも聞こえるような潰れたような声が自分の喉から押し出され、1m程度、思わず後すざりしました。その瞬間は本当に「怖い」なんてもんじゃありません。人の顔が宙に浮いているのです。

そして、数秒後、その正体が分かりました。つまりは押入れ奥に張られていた木の模様、木目です。そこは使わない布団も一緒に仕舞っておいたので、長く住んでいても見えなかったのです。引っ越してきた時も、慌ただしい中で布団を押入れに突っ込み、その「顔」に気が付かなかったのでしょう。引っ越し準備の時も、布団は引越し屋さんが来て、直ぐに布団袋に入れますから、気忙しくて気が付かなかったのでしょう。

その正体に気が付いて改めてマジマジと眺めましたが、見事といいたくなるような自然の造形。絵でも描いたように人の顔を木目が造っています。ちょっと左上を半分見開いたような虚ろな目で見やっているような…。髪は蓬髪(ボサボサ頭)で、なんと、口の辺りには髭まであります。胴体の部分は無く、まさに生首です。何年も住んでいて、ここにこんなものがあるとは全く気付かなかった…。夜の薄暗い中で気が付いて見ていたらもっと怖かったかも…。昼間でよかったあ…。どう見ても人の顔です。

で、最後の記念(管理会社の人に鍵を渡すので、それ以後はその部屋に入れません)に携帯で写真を撮っておこうと思ったのですが、「しまった!」。書類だけ持って、携帯電話を置いたまま来てしまいました。家まで取りに帰ろうかと思いましたが、ふと何か、それを画像に取るのはなにやら「良からぬ」思いがして、それはやめました。その内、管理会社の人が来て、事務的な話が長々と始まります。

手続きが終われば、後は管理会社の人に鍵等を渡して、私は退去するだけです。もうあの押入れの奥の「人の顔」は拝めません。これは超自然現象でも何でも無く、まさに偶然の自然現象が生み出したものでしょう。しかし、あれほどに見事な造形は見た事がありません。例えていえば「朦朧体(輪郭を明確にせずに色の配置で形を表す絵の描き方)」で描かれたような、濃淡だけで景色を表す水墨画のようです。管理会社の人も見ている筈なのですが、不思議な事に何の反応もしていません。それを見て驚けば、何か言うでしょう…。

もしかしたら、以前に「不思議その18」に書いたパレイドリア(壁のシミや雲が、ある意味のある形に見える事)というのは、その人が常日頃持っている何某かの意識(?)と関係があるのかもしれません。管理会社の方には「ただの押し入れ奥の板の木目」という認識だったのでしょうか。私は、その木目を脳の中で一瞬に組み立てて「人の顔」として認識したのでしょうか…。もう見る事はできませんが、あれを見た時は首筋の毛が逆立ちましたよ。錯覚だろうが、押入れの襖を開けたらそこに「人の顔」が…、なんて想像しただけで間違いなく怖い…。

別にオチを付けたい訳ではありませんけど、「怖い」というのはやはり、人の「感受性」から湧き上がってくるものなのでしょうか。感受性が高いから、それが良い事だとはいえませんけど、面白いものが目に映るというのはなかなかお得なような…。別にあの管理会社の方が感受性の低い人、といいたい訳ではありません。もしかしたら、本当はビックリしてて、瞬間的に自己防衛本能のシャッターが降り、「見なかった事にしよう」と脳が反応したのかもしれません。分かりませんけど…。

しかし、ホンの0コンマ数秒だったかもしてませんが、怖かった…。

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