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怖い その28「死に逝く者は、連れを欲しがる…、らしい…」


最期 イメージこの話は、親戚から聞いたのか、近所の人から聞いたのかよく覚えていませんが、年寄り(ばあさん)から聞かされた話です。かなり小さな時(小学校に上がる前位?)に聞いた話ですから、本人も忘れていました。が、ある程度歳を取ってふと思い出しました。同じような事を思う方もいらっしゃると思いますが、歳を取るという事は、「人の死に目に多く遭う」ものであると思います。上の者から順に行くのなら、それは自然な事で、願わくばそうあってほしいものです。

一休禅師の「親が死に、子が死に、そして孫が死に」という歌は、誠にその通りであると思います。別に、一家全滅の歌ではありません。何かめでたい事を書いてほしいと人に頼まれた時に、一休禅師が書いたのがこの歌です。それを貰った人は、「私は、めでたい言葉とお願いしたのに…」と戸惑って(多分、怒ったでしょうねえ)訴えると、一休禅師は聞き返したそうです。「という事は、その歌の逆の方が良いのかな?」。まさに…。順番通りに逝くというのが、自然の摂理。余談ですが、一休禅師の有名な歌をもう一つ。「門松は、冥土の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし」。

話を本題に戻します。その話の内容はかなり昔の事で、戦後間もない頃の事だったように記憶しています。まだ食糧事情も悪く、栄養不足もあって、結核で亡くなる人が多かったとか(過去の病気と思っていましたが、今、また流行の兆しがあるようです)。そんな時、あるおばあさんが病の床につかれて、医者が言うにはもう長くないとか。それで、その話をしてくれた人自身か別の人かは忘れましたが、嫁として子供を連れ、見舞いに行ったそうです。

床に伏しているおばあさんは見た目にも、もうハッキリと長くはない事が分かるくらいの様子だったそうです。見舞いに伴った二人の子供(まだ一つか二つくらいの小さな子)を見て、やはりそれは孫ですからおばあさんも嬉しそうな顔をして、喜んだそうです。そして、孫二人の名前を呼んで「あんたらも、わしと一緒に行こうのう…(方言:私と一緒にいこうね)」と言ったそうですが、その言葉を聞いて、嫁が血相を変えて言い返したそうです。「何を言うとるんね! 連れて行ったらこらえんよ!(方言:連れて行ったら許さない)」と相当に怒ったそうです。普通にそれを聞けば、嫁が怒る気持ちも分かるし、おばあさんも余計な事を言ったもんだくらいには感じますが、血相を変える程の…、とも思います。しかし…。

おばあさんが間もなく亡くなり、そしてその後、1年も経たないうちに、その時の二人の孫も亡くなられたそうです。

その話を私にしてくれたおばあさんは「人はのう、死ぬとき寂しゅうて寂しゅうて、近くにおる誰かを連れて行くんよのう。ほいじゃが、よりによって自分の孫を…(方言)」。これは、全国的にそういう事が信じられているのかどうか、知りません。宗教関係の人から似たような事を聞いたことはありますけど…。私も、自分の生まれたところでそんな話が信じられていたという認識はありません。しかし、周りの親戚などの何人かが同じような事を言っていたことを聞いた記憶はあります。殆ど滅びかけた迷信でしょうか…。

世の中に、「後を追うように…」という表現があります。これは、「呼ばれて…」とも思えます。私はかつて聞いたこの話の中で一番怖かったのは「人はのう、死ぬとき寂しゅうて寂しゅうて、近くにおる誰かを連れて行くんよのう」という言葉です。そうなのでしょうか…? 死ぬときに寂しいというのは、生きている人間の感覚でも「それはそうだろうなあ」と分かる事なのですが、誰かを「連れて行こう」とするものなのでしょうか? 普通に考えれば、「皆は元気で…」と思うのですけど…。

とはいえ、確かにそれは分かりません。死ぬ間際といえども、「まだ生きている」訳ですから、今生への思いは強いでしょう。この話を書きながらまた思い出しました。これは母親から聞いた話ですけど、私の父親はけっこう早くに亡くなりましたが、もう長くないと医者から言われた頃、病院へ見舞いに行った姉の子(父親の孫、私の姪)を抱こうと父親が名を呼んで手を出そうとした時、母親がやはり血相を変えて怒鳴ったそうです。「行くんなら、一人で行きんさい!(方言:一人で行きなさい)」と。それを聞いた時、何を言いだすのかと(ムゴいような気がして)話をしてみると、やはり、私の母親も、先に聞いた話のような事を信じていたようです。姪はその後も元気でスクスクとおばさんになるまで育っています。

しかしながら、迷信だとしても、そのルーツは何なのでしょうか? 仏教にはそのような考えはありません。やはり神道的な「死は穢れ」と見る事の土着的な変形迷信でしょうか…? しかし、そう言われると怖くなってしまいます。個人の情念によってはあり得る事なのかも…。
いずれ私も間違いなく死にます。家人もそうです。何となく、今のうちに「連れて行く」のも、「呼ぶ」のも無しよ、ってお互いに約束しておいた方がいいような気が…。

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