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怖い その26「地獄絵図 創作した人間の方が怖い…」


地獄絵図「地獄絵図」が流行っているそうです。いくら本が好きといっても私は絶対に買わないし、見たくもないです。しかし、何故、今になってこの地獄絵図とやらが流行っているのでしょうか? それなりに理由があるのでしょうが、「急に皆が信心深くなった」「自分の罪深さに気が付いた人が多くなった」「皆に信仰心が芽生えた」「斬新なポップアートとして受け入れられた」「アドレナリン依存症(スリル好き、恐いもの好き…)が増えた」「皆、初めて地獄というものを知った」…。何でしょうねえ…? 私はあの禍々しさに耐えられません。

子供の頃、まだ小学校に上がる前だったと思いますが、当時は映画を楽しむ人がまだ多く、子供心に映画館に連れて行ってもらえるとなると喜んだものです。住んでいたのが瀬戸内海沿岸の某地方都市ですから、映画は「2本立て(レコードのA面、B面みたいなもの)」が当たり前でした(余談ですが、東京に出てきた時、1本しかやってない映画館を見て「ケチじゃのう(方言)」と思いました。要は田舎育ちだったという事です)。確か、1本は怪獣もの(これが私の本命)、もう1本は時代劇だったと思いますが、お目当ての怪獣ものを見た後、2本目の時代劇が始まり、そのオープニングでいきなりスクリーンに地獄絵図が出てきました。

その時、子供心に受けた衝撃は今でも忘れません。何せ、生まれて初めて見る「地獄」の様相ですから。最初はポカンとして見ていたのですが、次第にそこに描かれているものが恐ろしいものである事に気が付き、思わず目を逸らして母親にしがみつき、半泣きの声で訴えました。「なんなら、ありゃ!?(方言:なに、あれは!?」。母親は「ありゃ、地獄よ。見てみんさい(方言:あれは地獄よ。見てみなさい)」。そう言って、怯えている私の顔をスクリーンの方に向けようとします。私、目をつむって必死で抵抗します。泣き出しそうに怯えている私を、母親は楽しそうにからかっているような気がしました。そういうヤツ…、じゃない、そういう性格の母親でした。私に遺伝してますけど。

子供心に、人が火で炙られたり、鉈で切られたり、血の海で溺れていたり…、とにかく生まれて初めて見る、身の毛がよだつような光景(絵)でした。そのもう1本の映画の間、またあの絵が出てくるのではないかと怯えて、ズッと母親にしがみついたまま顔を伏せて目をしっかりと閉じていました。どんな映画だったかサッパリ覚えていません。

その地獄絵図が流行ってるとか? 何で? そもそも宗教的な「天国と地獄」はキリスト教にしても仏教にしても後世に考えられたもので、天上界(神仏の世界)という概念はあっても、人が生きている時の信賞必罰で天国(極楽浄土も)や地獄に行くというようなことは、少なくとも私が知り得る範囲内で、キリストもブッダも言っていません。キリスト教ではキリストが復活して最後の審判を行うといいますが、これも後世に創作された話でしょう。仏教の弥勒信仰のようなものだと思います。キリスト教も仏教も、その根本は「生命哲学」と呼ぶべきものだと私は考えます。

私は宗教を否定しません。むしろ、「神仏がいないほうがおかしい」とすら思っています。呼び名はともかく…。姿勢としては「神仏は尊べど、これを頼まず」といった某武蔵と同じような考えです。ですから、地獄なるものがあり、そこへ自分が行く事への恐怖感などはありません。まあ、天国に行けるという能天気な事も考えてはいませんが。キリスト教においても仏教においても、死後の世界は未知、もしくは知る必要のない世界です。輪廻転生はむしろ、物理に近いような形で「生命」を説いているのだと考えています。生命を一種のエネルギーだと考えれば、むしろ、現代の「量子論」の方が神仏なるものに近づいていると考えているくらいです。私自身は断じて、天国と地獄なるものの存在を考えません。

とは言え、その両者とも絵となり「美術的作品」となっていることは事実です。天国にしても地獄にしても、数多くの絵として存在します。芸術の領域としては全く否定するものではありませんが、それらを書いた人の想像力には圧倒されます。特に地獄絵図を書いた人の情念には畏怖すら覚えます。そこに描かれた世界は作家(絵師)の脳にハッキリと像を結んでいたのでしょう。地獄絵図も怖いですが、それを書いた人の脳に現れる景色を想像するともっと「怖い」。

ところで、冒頭に書いた、「なんで今頃、地獄絵図が流行るんだ?」という疑問ですが、これはアドレナリン依存症が増えた…、と言いたいところですが、理由は分かりません。分かっているのは、私は絶対に買わないし見たくはない、という事です。あれは「霊的」な世界を描いたのではなく、人の創作から生まれてきたものですから、モチーフは「この世」です。

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