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怖い その23「生きている人間の方が、恐い? 怖い?」


枕もとこの話をこの編に書くのは正直、ためらわれたのですが、書きます。理由は「怖かった」からです。これは多分、何かで読んだ話が記憶に残っているのだと思います。人から直接聞いた話でない事は確かです。もし、そうだとしたら怖すぎる…。読んだ時、「脚色してあるよな」と思ったのですが、良く考えてみると、十分にあり得る話ですし、これに似た事は確かに周りで耳にします。でも、ここまでは「怖く」ないですけど…。

少々、前置きをしておきたいのですが、この話は「女性を差別しているような内容」に思われるかもしれませんけど、私としてはそのような事、毫も思っていません。が、私自身、どちらかといえば少々「保守的」な方だと思いますし、「男は男らしく、女は女らしく」という価値観を一つの美意識としては持っています。いまやこれも「差別の表現」らしいですけど…。

で、世の男性、特にある程度歳がいっている既婚者の方にお伺いしたい気分なのですが、「奥様」というのは「恐い」ですか? 日常、オッサン同士の呑みのアケスケな場でそんな話が出ても、多くの友人知人は「女房なんか…」「所詮、女は…」とけっこう強がったような事を言われます。私もそうでしょうね。稼いでいるのは俺だ、という気分が強いでしょうから。しかし、この話は怖かった。

生きている人間対象だと「恐い」というのはよくあることです。ヤクザだとか、腕力があって暴力的な相手とか。もし、刃物なんか持っている相手が自分に向かってきたら、もうこれは間違いなく「恐い」です。学校の先生や会社の上司や親など、「恐い(嫌もあるでしょう)」相手というのはたくさんいるものです。戦争にでもなればもう、どうしようもなく「恐い」。

しかし、これは生きている人間が「怖い」という話なのです。よく「女の気持ちは分からない…」と言われる方がいますが、これはお互い様で、向こうも「男の気持ちは分からない…」と思われているでしょう。機能的に違う生き物ですから。確かに、分からないのです。

で、その話というのは、ある人(男性)としますが、設定は確か、子供が大きくなって家に夫婦だけになった方です。よく、「夫婦は二度、夫婦となる」なんてややこしい言葉を聞くことがありますが、これは「新婚の時と、子供が大きくなって家を出て、歳をとってから二人きりになった時」の夫婦という事のようです。その「歳をとってから二人きりになった時」の話でしたけど、夫婦って何十年も連れ添っていても、普段はどれくらいのコミュニケーションをとっているでしょうか? 子供がいる時は意外と一対一で話をする機会なんてあまりないのでは…。亭主は会社に行っていますから、一日のほとんどは家にいません。夫婦で酒屋や八百屋をやっているのなら別ですけど、この話の当事者はサラリーマンの方です。

ごく普通という言葉を使っていいのなら、まさにごく普通のサラリーマンの方で子供を大学にやって、家を買って、子供が結婚して、夫婦が二人きりになったという時期の事だそうです。やはり、一対一に慣れていないので、奥様にどう接していいのか改めて戸惑われたとの事。そうでしょね。まず、子供を仲介とした「共通の話題」はもうない訳ですし、会社の事を話しても、奥様と共有するというのは難しいでしょう。

そんな生活が何となくギクシャクと続いていたある日、というか、ある夜、寝床についている時、ふと夜中に目が覚めると、誰かが薄暗い枕元に座っていたそうです。その人は思わずドキッとしたとのことですが、よく見ると奥様が黙って座っていたそうです。相手が奥様と分かって、一安心したそうですが、よく考えると、誠に不自然な光景…。

奥様は無表情で、黙ったまま亭主の顔を見つめていたそうです。亭主は戸惑うしかありません。その奥様の様子を問いただそうにも、何を言っていいのやら…。そのうちに奥様が亭主の顔をジッと見つめたまま、こう言ったそうです。「あなた…。私が、何を考えているか、分かる…?」。亭主は、返す言葉も無く「怖さ」で言葉も出なかったそうです。

話しはこれだけです。私、これを読んだ後、ドヒャーッと言いたくなる位、怖かった。「恐い」ではなく、「怖い」です。もう何十年も連れ添った相手です。好き合って一緒になったのなら、お互いを理解しあっている筈…。しかし、そう思っているのは亭主だけだったとしたら…。何十年も奥様は亭主を見つめて、何を考えていたのやら。幽霊や人魂と比べたら失礼ですけど、それよりも怖かった。やはり、「怖さ」の本質とは「よく分からないもの」「理解しがたいもの」「唐突にそういうものが現れる事」「受け入れられないか、どう受け入れてよいのか分からないもの」にあるのです。

これを読んでから、もし夜中に目を覚まして、そこに女房の顔があったとしたら…、これはもう無条件降伏ですな。何が無くとも「俺が悪かった!」と反射的に言ってしまいそう…。皆様、日頃から、ご用心。

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