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怖い その2「腰が抜ける、って、経験した事ありますか?」


腰が抜けるよく「腰が抜ける」って表現がありますが、子供のころは漫画的な表現だと思っていました。実際、そんなの見た事もないし、なった事もなかったし。ちなみに右の画像に意味はありません。

ところが、確か小学校の4年生か5年生位の時だったと思いますが、こいつを経験しました。まだ、ぎっくり腰や足腰の弱っている年頃ではありません。

その当時住んでいた家は長屋作りで、玄関は木製の引き戸。ガラガラッと開くやつです。そこにあまり明るくない電球があり、その脇にトイレ、というか便所がありました。昔ですから当然、水洗ではなく、バキュームカーがやってくるタイプの便所です。木の扉を開けるとまず男子小用の便器、俗に言う「朝顔」があり、そこに立った左隣にまた木の扉があり、その中が大用の便所でした。とにかく昔の便所は今のように明るくなく、暗い。居間からは数メートルの短い廊下があって玄関と便所がありました。

この時期は大用のトイレは洋式ではなく和式。かがみこんで踏ん張るやつです。水洗とは違って、ドッポンとおつりがくるやつですね。夜などは便器の中が底なしのように真っ暗でけっこう怖い。よく大人から、便器の下から手が出て来るとか、声(肥えでありません)が聞こえて来るとか、定番の怪談ネタを聞かされ、子供にとって、夜の便所はけっこう怖いものでした。

余談ですが、今はどこの家も隅々まで明るくて、暗い場所が少ないですよね。昔の家はそこらかしこ、夜になると暗い場所がありました。外を歩く時は街頭などあまりなく、懐中電灯が必需品でしたね。

で、本題ですが、夜、居間でテレビを見ていて尿意を催してきました。夜の便所は怖いので、子供はギリギリまでおしっこに行きたいのを我慢します。しかし、いつまでも我慢できるものではありません。

ついに我慢できなくなって、薄暗い廊下に出て、便所に向かいました。もっと小さいころは居間の襖(ドアではありません)を開けたままで明るくして便所に行ったのですが、小学校も高学年になると男の見栄というものがあります。怖がりと思われたくないので襖を閉めて廊下に出ます。途端に薄暗い空間が…。とにかく、膀胱がパンパン状態ですから急いで便所に向かいます。

薄暗い中で木の扉を開けるとまたそこは暗い空間。小用を足ながら一息ついていると、その時です。トントンと左の方から音が聞こえてきました。思わずビクッとしましたが、その時は「えっ?」位でしたが、小用が終わるころにまたトントンと左の方から音がしました。誰かが、隣りの大用の便所の内側から木の扉をノックいているような音です。その中には誰もいる筈はありません。

背筋がゾッとしました。よく、冷や水を浴びせられたみたいにゾッとすると言いますが、その時の私の感覚は、脳天から焼け火箸を突き刺されるような感じで、頭の中から背中がカーッとなるような感覚でした。

何も聞こえなかったと知らん顔をしたいところですが、また、今度はもっとハッキリとトントン、扉を叩く音が木の振動も伴って聞こえました。その音の聞こえた扉の箇所は、小用を足している格好の私の顔から、50cm程度の距離です

その時です。あまりの怖さに便所を飛び出そうとしたのですが、腰がストンと落ちました。確か後ろの扉はあまりに薄暗くて怖いので、半開きにしていましたが、そこに後頭部から倒れ込みました。

そこからが何とも情けない状態です。逃げようともがくのですが、どれほど手足をバタバタさせようが、「腰が抜けて」いる状態ですから、小難しく言うと身体の「支点」を失っている訳で、まったく前に進めません。どれくらいバタバタしていたでしょうか。私の異変に気が付いて母親が居間の襖を開けてくれました。手足をバタバタだけではなく、口もパクパク状態です。このような場面に似つかわしい言葉はさしづめ「出たー!」でしょう。その言葉も吐けません。母親に抱きかかえられ、ようやく多少は落ち着きました。母親は「何を暴れとるんか、思うたが…(瀬戸内海沿岸某地方都市の方言)」。

私、ようやく口が回るようになり、事の次第を母親に告げると、「何ゆうとんね、誰もおるわけないじゃろが(いる訳ないだろ)」。と言いつつも若干、母親もビビッていました。そして、親の威厳を示すのか、意を決したように便所の中を覗きに行きました。その時、やっぱり大人は強いと思いました。

結局、何もいませんでした。「ほれ見い、何にもおらんけえ(何もいない)」と言われましたが、子供にはそれを確かめに行く度胸もありません。

あの音は、一体、何だったんでしょうか…。空耳、どこかの音が共鳴した、何かの空振???? しかし、どう説明されようと、あれはコンコンと木の扉を叩く音でした。そして「腰を抜かした」経験は、後にも先にも一度しかありません。

あり得ない事が起きるとまず恐怖心が起こるのでしょう。そして、それが明らかに人がなす事のようであった時、怖いのでしょうか。しかも、相手が見えない。明らかに人がやっているのなら、例えば泥棒とか、それも怖いですけど、別の怖さでしょう。結局、分からないから、説明が付かないから、次元の違う怖さ、恐れになるのでしょうね。原因が明確ならある程度それも薄れるのでしょう。と、思います。

しかし、本当にあの音は何だったんでしょう…。今もって怖い。

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