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怖い その16「続・田舎伝説? 人の幽霊は出ませんでしたが…」


峠これまた田舎伝説…。お約束の「あそこには、出る」という幽霊スポットです。子供の頃、瀬戸内海沿岸の某地方都市に住んでいましたが、海も川も近く、山もすぐそこ、というホントに景色としては恵まれた地域に住んでいました。で、私は山側。周りは殆どお百姓さんです。田んぼや畑、山や川が子供の遊び場でした。自転車や原チャリに乗るようになると海までその領域が広がります。山や川も全く人の手が付けられていないマンマの姿。小学生低学年のころは自動車など殆ど見かける事もなく、当然山までの道はまだ舗装はされてません。牛が荷車を曳いていました。雨が降ればゴム長靴は必需品。今、水溜りって都会には殆どありませんよね。あの中をジャブジャブと長靴で歩いていくのはけっこう子供にとって、面白かった。

そんなド田舎です。やはり、お約束の「幽霊スポット」がいくつかありました。その中でも有名だったのは山の峠です。その道を通る時、出るそうです。今では造成されていて、地形的にそこがその峠であることは分かりますが、景色は全く変わっています。ビッシリとマンションや住宅が立ち並び、ゴルフ場ができて、かつての面影はまったくありません。私が子供の頃は周辺の民家もまばらで、峠から見える景色は山山山でした。

その峠に男性の幽霊が出るとズッと言われていました。何でも、その峠を越えていた自動車が谷側の方へ運転を誤って落下し、運転手は即死。その車を運転していた男性の幽霊が出るとか…。

その話を知らない人にとってはただの景色の良い山道でしょう。日常通るような道ではありませんが、原チャリに乗るようになって、友人宅から帰ってくるときに、山の中を突っ切ると近道なので、その峠を通る事がありました。国道からバス通り(家までの道はとっくに舗装されています)を通って行けばいいのですが、遠回りになります。夜、早く家に帰りたいので仕方なくその峠道を原チャリで通る時、峠に差し掛かると、原チャリのバックミラーを倒します。何でって…、どうせバックミラーなんて見ないですから。もし、バックミラーに何か映ってたりしていたら…。ハッキリ言って、怖いのです。

その峠は片側が切り立った崖で、落ちたとしたら十メートル以上は落下します。峠を越えてからは急こう配の九十九折の坂。そこを走り抜ける時はまっすぐ前を向いて走ります。大学生になって、友人に自動車でその峠経由で家まで送ってもらう時、やはりルームミラーを下げ、前しか見ません。かなり広い範囲で信じられていた田舎伝説でした。

で、私はその幽霊を見たことはありません。もし後ろに出たとしても、絶対にそっちを見ませんし…。しかし、一つだけ、この話に関してどうにも解せない記憶があるのです。

小学高高学年の頃、地域の子供会でローカルな遠足があり、それに参加したのですが、コースはあの峠…。実はその時、始めて現場(?)に行きます。子供が行くような用事がある所ではありませんので。何のことは無い山道なのですが、「出る」というのがブランドになるのか、地域の名所のようになっていました。そこを通って行くというのがその遠足の、まあ、イベントだったような…。峠に近づくとみな「ここじゃろ、出るんは(方言)」「わしのおじさんが見たげな(方言、ちなみに子供でも一人称は「わし」でした。今もそうかな…)」と妙に盛り上がります。峠道の崖側には一応ガードレールはありますが、錆び錆び。そこから恐々と下を見ると、子供ですから今以上に深い崖に見えました。下には一面に草が深々と生い茂っています。

そして遠足が終わり、友達とワイワイやりながら帰って来ますが、その時私が「ほいじゃが、まだあそこにゃ、車が落ちたまま置いてあるんじゃのお。めげとる(壊れている)けえ、そのままなんじゃろ(方言)」というと、一斉に皆の目線が真顔になって私に集まります。友達の一人が言います。「わりゃ(お前)、何言うとんなら。車なんかないわ」。私、それを聞いて「あったじゃろ、草ん中に。錆び錆びじゃったが」。

ハイ、多数対一…。誰もそんなものを見ていないそうです。私、言い張りますが、ほぼ嘘つき扱い。ホントに草の中に車の一部(後部)ですが、見えたのです。元は白い車体が殆ど錆びているような。皆に嘘つき扱いされて悔しいので、次の休みの日に一番親しい友達と自転車で峠まで行ってみました。

何もありません。私、面子丸つぶれ。錯覚だったのでしょうか? 何度見てもそれと見間違えるようなものはありません。一面の草です。友達は気を使って「何か、見間違えたんじゃろ。落ちたんは、はあ、何年も前じゃけ(方言)」と、慰めてはくれましたが、私は「じゃが、見たんじゃ!ほんまよ!(方言)」と言い返したいのをグッと堪えて、「ほうじゃの(そうだな)…(方言)」と答えました。それ以来、その話には一切触れませんでした。騒ぐとまた嘘つき扱いされるので、ほとぼりがさめるのを待ちました。

錯覚でしょうか? 勘違いだったのでしょうか? 確かに改めて行っても、何も無かった…。「見た」と言い張ったところで私の得になる事は何もありません。何かの見間違いと言われれば、頷きます。

人の幽霊は見ませんでしたが、車の方が「出た」のでしょうか…? しかも真昼間に。車が落ちているという思い込みが、子供の頭の中に像を描いたのでしょうか? 

嘘つき扱いをされたのでイヤな思い出なのですが、どうにも割り切れない気持ちと、あの車の一部が私の記憶の中に残っているだけです。

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