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怖い その15「田舎伝説? ミイラがあるという山の廃屋」


廃屋都市伝説という言葉がありますが、私は単に「都市でまことしやかに伝えられているお話」という、噂と同じような類のものと思っていました。まあ、それでほぼ間違いのない認識のようですけど。Wikipediaの記述によれば、大辞林第二版に「口承される噂話のうち、現代発祥のもので、根拠が曖昧・不明であるもの」と解説されているようです。私が愛用している新明解国語辞典は版が古いのでそのような言葉は載っていませんでした。という事は比較的新しい言葉なんでしょうね。

で、都市伝説があるなら田舎伝説があっても良い訳で(どっちでもいいか…)、やはり同様の「根拠が曖昧・不明」な話ですが、まことしやかに皆が同じように語っている事って、けっこうあります。

私が小学生の時の事ですが、ド田舎に住んでおりまして、周りは山、山、山。今は造成地になって昔の面影は殆どありませんが、考えてみれば贅沢なほどの自然の中で暮らしていたと思います。

で、その山や川が我々小学生(ガキね)の遊び場でした。その山道の奥に、朽ち果てたお堂がありました。格子の扉は閉まっていますが、中に、元は何かを置いて祀っていたような台座があり、その台座には左右に開く引き戸が付いていました。台座の大きさは、例えは悪いのですがちょうど棺桶位の大きさで、引き戸は閉められたままです。別に鍵も掛かっていませんし、足で蹴飛ばせば小学生の力でも壊せそうな廃屋でしたけど、草の中に半分埋まったようなその廃屋の中にある台座(のようなもの)には、ミイラが入っているという話がまことしやかに言われていました。子供だけでなく、大人までそう信じていたようです。田舎ですから。

なんでも、そのお堂で昔暮らしていたお坊さんが、最後はその台座の中で「即身成仏」したとか…。そのミイラが、今は誰も訪れないお堂に残っているということです。しかし、だれもその廃屋同然のお堂に入った者はいません。ましてや、本当にミイラがあるのかどうか、台座の引き戸を開けた者もいません。

小学生の6年位の時だったと思います。私を入れて悪ガキが三人で遊んでいた時、どういう成り行きか覚えていませんが、あのお堂の中を調べてみようという話になりました。ちょっとした肝試しのようなものです。怖いのは怖いのですがけっこうワクワクして、山のお堂に向かいました。今では造成地になって、そのお堂がどの辺にあったか定かには思い出せません。

お堂の前に立って中を覗き込むと、そこには見慣れた台座があります。問題は、誰が最初に中に入ってあの台座の引き戸を開けるかです。お堂の前まで行ったのはいいのですが、そこでビビり始めました。しかし、ガキにはガキの意地というものがありまして、そこでビビッて帰ったら、男の沽券に関わります。

私、意を決してお堂の扉に手をかけました。朽ちた廃屋ですが、意外と扉が固く少し引いただけでは開きません。両手で思いきり引っ張ると動きました。蝶番はもうとっくに錆びて無くなっています。ギーッと開くのではなくガタンと扉が外れるといった方がよいでしょう。

とにかく、お堂の扉を開けてしまいました。目の前にその台座があります。お堂の中の床は朽ち果ててアチコチが割れています。そこに恐る恐る足を踏み入れ、三人がお堂の中に入りました。心臓バクバクというより、怖さで気が遠くなりそうだった記憶があります。なかなか台座に近づけません。すぐ目の前にあるのに…。三人の誰も度胸が決まりません。私、一瞬台座の方に動きかけたのですが、その時、ガキの一人がお堂の外に飛び出しました。怖さに耐えかねたのでしょう。
それを合図のように残りの二人(私も)も外に飛び出しました。もう怖さが頂点に達していましたので、何かに追われるように山道を三人で駆け下りて行きました。ハイ、結局、ミイラ探索は不発でした…。

それからガキどもはあのお堂の方に行こうとは決してしませんでした。怖くて怖くて…。子供心ながら、何かとんでもない事をしてしまったような気分でした。相変わらず、あのお堂にはミイラがあるという話はその後も続いていました。当然、もう残っていないでしょう、あのお堂は。

正直、未だに心残りではあるのです。本当にミイラがあったのかどうか…。しかし、分からないままでいいのでしょうね。だからこそ「田舎伝説」。オヤジになった今ではあんな体験、もうできないでしょう。その時のガキは、一人が自衛隊に行って、一人は親の商店を継ぎました。

もう、恐らく会う事も無いでしょうが、連中、覚えているかな…。

どこにでもあるような、しかし、妙にリアリティのある、田舎伝説でした。

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