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怖い その12「それ以来一度も行っていません 真夜中の神社」


夜の神社高校生の時、原動機付き自転車の免許を取り、中古のボロバイクを手に入れて、そのバイクで走るのが面白くて仕方ありませんでした。特に、夜中にアチコチを走り回るのが面白かった。田舎ですから、お巡りさんに呼び止められないよう、主に山の中を走っていました。どうも、若いのがバイクに乗っているとよく止められて色々ネチネチと聞かれることが多い…。「免許見せて。学校はどこ?そのバイクは自分の?どこ行くの」とか、うるさいですよ。お巡りさんが標準語で聞いてくるのも事務的で違和感があったし。バイクに乗っているだけで不良扱いされる時代でした。別にナナハン(750ccの大型バイク)に乗って飛ばしている訳でも無し、原チャリで可愛らしく走っているだけなのに…。もちろん、ちょっと位はスピード出して走りますが。

てな事で、主に夜の山道や造成地を飛ばしていました。で、友人も免許を取り、夜中の原チャリ暴走族(二人ですけど)が出来上がりました。夜な夜な、二人で田舎道をレース紛いに走っていました。お巡りさんにも会わなくてすむコースというか、スポットが色々と出来上がってきます。その一つが山の上の神社めがけて走って、そこで一休みして、坂道を下って走るというコースです。

夜の神社ですから、普段(大晦日とか以外)は誰もいません。それと、その神社、けっこう大きく、広い駐車場があり、山の上ですから展望のためのスペースもあります。そこが一休みするのに恰好の場所でした。なぜなら、自動販売機が並んでいて、なんと「うどん」の自動販売機までありました。そこで町の夜景を眺めながら、うどんを夜食代わりに喰って帰るのが我々のお気に入りのコースになっていました。

で、ある夜、いつも通りに待ち合わせをして、神社への登り道を競争です。といっても原チャリですし、登りの勾配もけっこうきついのでスピードは出ませんが、一応競争なのでそれなりに面白い。神社の展望所に行って、これまたいつも通り自動販売機のうどんを食べながら、夜景を見つつ、ダベッていました。いつもの通りに時間が過ぎて行きます。

が、その日はちょっと違っていました。神社の社殿はけっこう大きく、その周りには回廊。神社の存在など普段は気にしなかったのですが、うどんを喰っている最中にその回廊を人が歩いてくる音がします。友人も気が付きました。「おい、誰か来るで」。神社の人がうるさい原チャリガキを叱りに来たのだと思いました。回廊の方を見やると、確かに足音が。思わず逃げようかと思いましたが、まだうどんを食べ始めたばかりです。喰い意地には勝てません。

自動販売機の陰に隠れて回廊の方を見ていました。ギシギシという足音が聞こえてきます。しかし、なんか変である事に気が付きました。回廊は電気もついておらず、真っ暗です。その中を歩いてくるとしたら、懐中電灯の明かりでも見えそうなものです。が、足音のしてくる方向は真っ暗なままです。しかも、よく考えてみると誰もいない神社の回廊を誰が歩いているのか?人が来るなら社務所からの筈。しかし、社務所も真っ暗です。明るいのは自動販売機の辺りだけ。

足音はすぐそこまでやってきました。しかし、暗闇の中に人の気配はありません。ギシギシという足音だけが聞こえてきます。そして、ギーッと重い扉を開けるような音と閉めるような音が聞こえてきました。二人はもう、うどんを喰っているどころではありません。音が聞こえてくる方向を見じろぎもせずに見つめているだけです。暗いとはいえ、人がいれば見える程度の月明かりはあります。そしてまた、回廊をギシギシと歩く音が始まります。例えて言えば、人らしき姿は何も見えませんが、回廊からゆっくりと何者かが順繰りにやって来て、社殿の中に入って行く、といった感じです。また、何度目かのギーッという音が聞こえてきました。真っ暗な社殿です。

二人が手にしているうどんはとっくに冷めています。もう、鳥肌が立っていました。そして、何度目(何人目?)かのギシギシと回廊を歩く音が聞こえ始めた時、どちらが先だったか分かりませんが、二人とも、うどんの器をゴミ箱に投げ込んで、原チャリへ一目散。声も出ません。神社から降りる坂をフルスロットル。今までで一番早かった…。

私だけではなく、友人も聞いている訳ですから、人が歩いている音がしたのは間違いないのです。しかし、月明かり程度の暗闇を誰が…。もしかしたら、本当に人が歩いていたのかもしれません。神主の修行か何かで…。しかし、何もいなかったのです。何も見えなかったのです。音だけ…。

それ以来、その神社には行きませんでした。怖くて…。やはり、神社には何かいるのでしょうか。何度も行っているその神社の夜、そんな音を聞いたのはその日だけでした。友人はそういう事をあまり深く考えるタイプではないので、それ以後、その事を特に話すようなことはありませんでしたが、二人で同時に空耳でしょうか?

怖いというのは、こういう事なのでしょう。説明が付かない、合理的に理解ができない、あり得ない…。しかし、否定したところで、その時の怖さが消える訳ではありません。やはり、何か(何者か)がいたのです。そうとしか言いようがありません。

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