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変 その60「今度はローパーですか… 人が貶められ、生きられない国の形」


働く「窓際」、「マル貧」、「負け組」、「負け犬」、「ニート」、「非正規社員」、「下流老人」、「非正規ミドル」…。で、今度は「ローパー」ですか…。「ローパフォーマー」の略らしいですが、働きの悪い会社員の事だそうです。しかし、いつからか、新聞やTV、WEBの上に「人を貶める明らかな差別語」が次から次へと「発明」され、否応なく目につきます。21世紀に入ってからでしょうか?

おそらく、そういう言葉を「発明」している人たちは「そうではない(と思っている)」人達なんでしょう。古くは、学校の授業についていけない子供たちの事を「落ちこぼれ」なんて言っていましたね。学校側の中にはかなり昔からブラックリストがあり、「問題家庭」とか、あきれる位に酷いのは「欠損家庭(両親のどちらかがいない家庭)」なんて言葉も現実にありました。そんな一方的な差別語を列挙してもキリがないのですが…。

少なくとも「近代社会」は「平等・公正・人権」を謳いますが、それは「人を全て横並びにする」ということではなく、「不当・理不尽」を排するという意味であると考えます。それは「社会」という構造物に由来するのではなく、その社会を構成する人間によってしか実現できないものでしょう。「革命」とかで政治体制(構造)を変えることによって、その「不当・理不尽」を排するなど、歴史上、一度も成功していません。それどころか、殆どがその後に独裁を生み出し、人を窒息させる国の体制が出来上がっています。政治や国家体制なんてものでパラダイスなんか、決してやってこないのです。

社会や国家を構成している「人間」の姿が見えなくなってしまう時、その根太が腐り始めるのでしょう。もう、不可逆的な所にまで来ているのかもしれません。「ローパー」なんてのは、国の政策が絡んで生み出された言葉でしょう。一見「良いこと」であるような、「再就職を支援する助成金」に、人材派遣会社がその仲介をビジネスとするために、知恵を絞って「働きが悪い社員(誰が決める?)」を退職させる手法を考え、人員整理をしたい企業にそのサポートをしているとか…。中には「辞めさせたい社員を鬱病にする方法」なんて、刑事犯罪といってもいいようなことをコソコソとやっているようで…。

これは私見ですが、例えば「物書き」でも「スポーツ選手」でも、ある世界で成功するのはホントに一握りの者だけです。しかし、その一握りの者に成功をもたらすのは、その者と競争して、残念ながら夢の叶わなかった者たちの(表現は悪いですが)屍累々の景色です。つまり、「ハイパー(ハイパフォーマー?)」が存在するのは、「ローパー」という寒々しい言葉を烙印されている者たちを含む「集団」があっての事です。ある新聞のコラムでそれを蟻の社会に例えていましたが、そんな生物学&社会学の成果を持ち出さなくても、生きている人間としての皮膚感覚でそれは分かるでしょ。

同じコラムで、もっと寒々しい話を見ました。それは「絶望ラジオ」。これは韓国のインターネット番組で、彼の国の若者の絶望的な話ばかりを淡々と紹介するそうです。その番組のDJは、助言も激励も加えず、ありのままを伝えているだけのようです。助言や激励など、何の力にもならないでしょうから。学校で過酷な競争を強いられたあげく、行き着くところが「非正規」。就職に失敗して、借金に苦しみ、最後は自殺…。会社での面接で人格を否定されるような言葉を浴びせられるケースも。日本も同じ。「ブラック企業」なんてのも、若い世代からWEB上で広がってきた言葉でしょう。

国家や会社という構造物を如何様に変えようとも、そこにいる人間の姿が見えなくなってしまえば何も変えられないし、何も変わることはないと思います。「差別」というものが一体どれだけの人間を殺し続けてきたか。それで得るわずかばかりの「優越感」が、回り回って今度はその人の身に降りかかってくる光景は、もう何度も見ました。そこに人間の姿はありません。誠に切なく哀しく、憤りを通り越して、鉛を呑みこんだような重く冷たい気持ちになります。韓国の「絶望ラジオ」に共感すら覚えてしまいます。

「ローパー」という在りもしないものを生み出す今の国の形を、「努力が足りない」的な個人の問題のようにすり替えているのかもしれません。でも、個人個人が考える事によってしかこの状況は変えられないと強く思います。人が生きられない国の形になりつつある今、国家や会社に依存しない生き方が必ずある筈です。無責任に言っているつもりは毛頭ありません。現状が「とびきり変」なのですから、そこから離れるのが自分の「正気」を保つ方法です。そのための場所と生き方がある筈です。余談ながら、私自身が拙く、それを試行錯誤で実践中です。

虚仮の一念であろうとも、人と、そして自分の「正気」を信じることが、「差別」に対抗する唯一の手段であると本気で思っています。

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