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変 その6「水子の霊が祟る? あり得ない!」


風車水子とはもともと「すいじ」と読み、戒名の位号の一つであったとwikipediaにはありました。一般には、母体の中で亡くなり、世に出られなかった子供たちの事を指すようですが、乳幼児が亡くなった場合にも使うようです。定義はともかくとして、この水子が「祟る」とか「障る」とかいった言葉を聞くと(たまたま最近目にしただけなのですけど)私は個人的に怒りに近いような不愉快さを覚えます。理由は二つ。

ひとつ目は、ある無責任な話を思い出すからです。私は4人兄弟で、一番上の姉と二番目の兄を亡くしています。私は歳が離れた末っ子なので、写真でしかその姿を知りません。二人とも戦後のまだ医療機関も整備しきれていない時代、幼くして結核で亡くなったそうです。我が家にはその二人の写真が仏壇に飾ってありました。その二人が亡くなって、母親がもう子供は要らないと打ちひしがれている時、ある人が「これ以上水子に祟られないように、タバコを吸えば、もう子供ができなくなるから」と言ったらしく、母親はズッとタバコを吸っていました(この言葉、前提からおかしい)。しかし、私と、上の姉がその後に生まれています。あくまでも母親から聞いた話ですが、仮に親切心からだとしても、嘆き苦しんでいる者に対して、あまりにいい加減で残酷な言葉であると腹が立ちます。

二つ目は、ある新興宗教団体に属していた者の言葉を思い出すからです。これもあくまで母親から聞いた話ですが。「水子が地獄で苦しんでいる。助けてやるためには信心しかない」とか言って、入信を強く勧められたと言う事です。おかげで母親は新興宗教が大っ嫌いになりました。

このどちらも、嘆き苦しんでいる者に対してあまりにも無知蒙昧としか言いようがない。人間の言葉とも思えない。もし私が自分の子供を亡くして、そのような事を言われたら間違いなく傷害事件位は起こすかも、です。

で、義憤を表したい訳ではなく、何が言いたいのかと言えば、こういう事です。子を幼くして亡くした親はどれほどの悲しみに襲われるでしょうか。子に対する自責の念、哀惜の念…。言葉で軽々と言い表せるものではありません。その親に対して、悲しみの対象であるはずの亡くした子供が、なぜ祟らなければならないのでしょう。死別の悲しみを「対等」に持ちこそすれ、どこに恨みを持つ根拠があるのでしょうか。道徳論ではなく、お互いに言葉もない不運で別れ別れになってしまった訳です。もし「恨み」の対象があるとすればご指摘願いたい。

断言します。水子は親を慕いこそすれ、恨む根拠など何も持っていません。この水子に「供養」が必要だと言っているのは商売です。しかも、人のつらく悲しい弱みに付け込んだ。あー!書いているだけでも腹が立つ。もちろんそれが親の傷心を癒す事もあるでしょうが、何もしなくても良いのです。親は子を思い、子は親を思う。もうそれだけで十分です。手を合わせるなり、泣いてやるなり、それが「供養」というなら、もう十分な供養です。

拙い知識ですが、確か「人」の法的な定義は、刑法で一部露出説、民法では全部露出説だったと思います。つまり、母親の胎内から外部へ体の一部でも出た瞬間、刑法はそれを「人」と認め、民法では全部出た時に「人」と認めて、法の対象にするという考え(現実にそうなっている筈)です。

では「胎児」は? 法的には「人」として認められません。しかし、法はさておき、「命」である事は間違いありません。「命の在り方」を至極簡単に定義すれば「分裂により継続されるもの」です。ひとつの生命体がふたつに別れ、それぞれに「人(生物)」として「命の器」が別々になるということです。ですから、元はひとつ、同じものです。親と、不運にも水子となろうとも、元はひとつの同じものです。それがなんで、祟ったり、障ったりするのですか。そんなのは一人の人間の右手が左手を恨むようなものです。

このような話は書いていてもかなり不愉快なのですが、では書くなよ、と突っ込まれようとも「水子供養」とか「水子の祟り」とか聞くと、かなり不愉快になりますので、「そんなものがあり得るか!」と言いたいのです。

「水子供養」なるものがあるとすれば、それは親の自発的な無言の行為でしか成立しません。「真摯な気持ち」「敬虔な心」の中で自然に成り立ちます。少なくとも商売の世界でセールストークにするものでしょうか。広告業界的な表現をとれば、典型的な「不安マーケティング」です。人の不安を煽ってマーケットを作ると言う事です。

これが防災グッズのようなものであれば不断の「気付き」「備え」へとつながるから正当性はあるのですが。

宗教も霊も一切合切、否定から入る事はしない主義ですが、こればかりは大否定! 少し考えれば分かるはずなのに。あー、アホみたいに腹が立つ。

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