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変 その58「人工知能 目指せ文学賞 って、何それ?」


AI作家 本好きの私としては、芥川賞や直木賞が、受賞作品よりも「誰が取ったか」で、受賞者をタレントにしていく風潮に辟易としていましたが、まあ、今回はタレント(芸人)自体が取りましたので、話題満載といったところで…。別に、「作者なんかひっこんでろ」ってことではないのですけど、やはり賞の対象は「作品」であって、読者の接点・興味はそこにあるはずだと思います。誰が取ったなんて、本来関係ない。太宰治は芥川賞が欲しくて欲しくて、審査員に懇願したそうですが、今はそれほど重みのある賞でもないでしょう。

文学自体が退潮気味にあるというより、実用書も含めて書籍が多様化し、文学なるもののジャンルは書店でもそのシェアを物理的に狭めざるを得ないのでしょうが、それにしても書店とCD売り場のポスターや販促物が似通ってきたのには「何を売っているの?」って言いたくなります。ま、オヤジの戯言ですが。

で、今度は、過日の新聞のコラムで読んだ記事に笑おうにも笑えない感情を抱いてしまいました。見出しは「人工知能 作家になりたい」。チェスや将棋だけで終わらず、ここまで来たのか…。人工知能に関しては兄弟サイトの「テキトー雑学堂:その25」で書きましたが、純粋な「学術研究」「技術研究」としては理解できるのですが、それが「一体、何へと向かうのか?」ということがよく分からないと書きました。本音は、よく分からないというより、人工知能の行く果てには「意識という意志決定力のための欲」が必要になるのでは、という懸念めいたことを抱いてしまい、映画の「マトリクス」や光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」に出てくるゼンゼン・シティーのことを思い浮かべました。そこでは、意志決定を全てAI(マザー・コンピュータ)に委ね、人は「夢」の中で生きていく…。SF好きには珍しくもない設定ですが。

しかし、記事中にある「2021年までに東大突破を目指す」なんて目標を目にすると、アングリとしてしまいます。将棋やチェス、入試にいたってはルールや定石が存在し、解答も存在します。それで人間を超える事に何の意味があるのか? おそらくそれは達成可能な目標と思いますが、その意義たるやサッパリ分かりません。

文学にはルールも定石も、ましてや解答などもありません。予定調和のようなものはありますが。現に今は「人間が文章構成を考え」、それを狙った(?)文章が出力されるようにプログラムを細かく作り込んでいるそうです。なんか、自分で文章考えた方が早くないですか? 物語のあらすじをAIに「自動」で作らせる試みもあるそうですが、それが「ゲーム」のようなプログラムで、肝心の文章を膨らませていくということは「難しい」ようです。結局は今のところ、「小説の形にするのは人間頼み」という事だそうで、ナンノコッチャ、です。「自由度が高い小説作りは難しく、当面、人間との共同作業にならざるを得ない」とか…。それならRPG(ロールプレイングゲーム:roleplaying game)と同じ、というか、そのものじゃないですか。

文学をAIに作らせ、それが芥川賞でも取ったりしたら、人間さんはどこに行くのでしょうか。茶化すつもりは(あまり)ありませんが、文学作品を書けるAIが一体何の役に立つというのか全く分かりません。もしかしたら、それは「人間の創造力の劣化」を象徴するものかもしれないと思ってしまいます。

お笑い芸人が芥川賞を取ったからといって(珍しくも何ともない事ですが)話題になり、今度はコンピュータが芥川賞を取ったと話題になるのでしょうか。著作権はコンピュータにあるの?

どこまで考えても分かりません。チェスにしても将棋にしても(まあ東大合格はどうでもいいですけど)、人と人が知力を尽くして戦うから、人は称賛・感動する訳で、文学にしても、ある意味、人の創造力の限界に挑む作家の作品に心を動かされるのではないでしょうかね。それなら、コンピュータに「絵」を描かせればいいと思うのですけど。何でもアリです。写実ならお手のものでしょう。抽象画なら、まあ、「芸術である」と言い張れば何でも成立します。

某作家のコメントのように「お手並み拝見」といったところでしょうか。私には、そうしたAI研究の先に、「人間の劣化」といった景色が見えるのですけど。コンピュータの作った文学作品に人間が「感情移入」する姿なんて、それ自体がSFの世界です。「変」なんてものを超えて、脱力します。

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