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変 その5「出生前検査で、何が解決するのか」


命出生前検査というものを知った時、目がくらみそうになりました。怒りとか憤りといったものではなく(少しはありますが)、ついにそこまで来たのか、という思いからです。はっきり言って、これは「人種的価値」の考えに近いものだと感じました。誤解を恐れずに言うならば、かつての某独裁者が持っていた「民族固有の血を守る(本当はもっと矯激な表現ですが)」という考えに近いと感じます。

出生前検査をされる方の固有の事情、深刻さ、悩み等々、理解できない、しない訳ではありません。また、前述の考えは根本にレイシズム(Racism 人種差別主義)があるということも踏まえています。問題の根本が違うとご指摘、ご批判されることも覚悟の上です。何をそんなにエキセントリックになっているのかと思われることも承知です。ですが、これは「命の選別」に他ならないと考えるからです。そう思えるのです。私は人工中絶にも原則的には反対です。優生保護の考えは理解できます。

確かに、ダウン症等の障害を持ったお子様を持たれている親御さんの苦労は分かります。私の周りにもいらっしゃいます。障害を持った子供の将来を悲観して心中されたなどの記事を読むと切なくなります。

遺伝学は古い学問でしょうが、遺伝子そのものを人がその手に掛ける時代が始まったのは、つい最近の事です。それが医学に応用され、これまでは治療不可能だった病気を治すことができるようになったという事実は確かにあります。しかし、それは「人を生かす」ための技術ではないですか。遺伝学、つまりは学問、人の知恵、知識の集大成が「命を選別」することに使われる事に対しては大いに疑問を感じます。

私は特定の宗教に属する者ではありません。神仏も宗教も否定しませんが、宗教的な立場からの考えを持つ者でもありません。

では、どうしろというのかと言われたら、こう答えます。自然界は「常に完璧なものによって成り立ってはいない」。つまり、一定%の完全ではないものを内包して成り立っているという事です。例えば、社会学的に明確な統計は手元にありませんが、健常人(それ以外の表現を知りません)と、障害を持たれている方の比率は一定であるという仮説を持っています。ご家庭の問題ということであれば All or Nothing であると思いますが、「社会」という単位で考えれば、そうした障害を持つ方が0%である社会というのはあり得ない。

こう考える事は出来ないでしょうか。大方の健常人が存在できるのは、数%の障害を持つ方が存在するからだと。統計学的過ぎる考えかもしれませんが、であれば、その数%の方々に対して責任を持つのは大多数の健常人ではないか、と。私は社会主義ではありませんが、ご家庭で夫婦で子供の問題を抱え込まれるのではなく、社会がその問題を抱えるべきだと。
もし、統計学的とはいえ、その仮説が正しければ、「出生前検査」で「命の選別」をしたとしても、また新たな「選別」の問題が出てくる筈です。

例えとしては少々違うかもしれませんが、会社で優秀、もしくは効率的に働いてくれる社員が8割いたとして、残りの非効率的な社員2割をリストラしたとします。すると優秀&高効率の労働力100%になる。と考えますよね。実際は違います。やはり、2割の非効率な社員が生まれる事を経験的に会社というものは知っている筈です。俗に2:6:2(優秀2割、指示で動く6割、ぶら下がり2割)の法則と言われていますが、マクロに見れば必ずある法則が数字的に存在することは珍しい事ではありません。統計学に詳しい方はご存知だと思いますが。生物学的にも立証されている事の筈です。

「選別」によって何が得られるのか分かりません。「共生」というのが社会的動物の共通点だと思います。障害のある子供を持つ苦労をご家庭に押し付けているのは、健常人と呼ばれる人たちでは無いでしょうか? 健常人でいられるのは何故でしょう。確率でしかありえません。その確率を選別しようとしても、その確率は消滅しません。

この論でお気を悪くされた方がいらっしゃいましたらお詫びします。しかしながら、「命の選別」という事はどうしようもなく受け入れられないのです。

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