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変 その46「昔の落語、ゼンザイ公社って、ご存知?」


管理事務何度目かの官公庁様の仕事をやって、いつも辟易とした思いでこなしていますが、その最中に、昔の落語で「ゼンザイ公社」ってのを思い出しました。これはかなり昔です。なんせ「三公社五現業」というものがまだあった頃の話ですから。日本国有鉄道(いまのJR)・日本専売公社(今のJT)・日本電信電話公社(今のNTT)の三公社と,郵便・国有林野・印刷・造幣・アルコール専売の各事業(五現業)を行う国営企業なるものがありまして、今では殆どが民営化されているのはご存知の通り。

そのなかの「三公社」をパロッたのが「ゼンザイ公社」。語呂からいったら「専売公社」をもじったものでしょう。どの噺家のネタだったかは忘れましたが、笑うに笑えない思いを持った記憶があります。

噺の概略をザッといえば、庶民の甘味であるゼンザイが何故か国の専売品となり、ゼンザイが食べたくなったら役所に行って「申請」をし、「許可」が出ないと食べられなくなってしまったという噺。主人公のオヤジが「あー、ゼンザイ食いてぇなぁ」と、面倒くさいけど役所に行って申請しようとすると、ナンやらカンやら書き込まなければならない申請書を渡され、「住所」や「履歴」まで書かされます。オヤジは「ゼンザイ食うのに、何でこんなものがいるんだよぉ」とボヤキながらも、ゼンザイ食いたさに申請書類を提出します。かなり待たされた後に、「申請書類に不備があります」と突き返され、「住民票を添付してください」とのお達し。オヤジ、「なんだよ、そりゃ」と思いながらも、住民票の手続き。挙句は印鑑証明等々。散々時間をかけて申請が通ったら、そこからさらに長い時間待たされて、やっとゼンザイが出てきました。オヤジ、苦労した挙句のゼンザイなので喜びもひとしおでそのゼンザイを受け取ると、肝心の甘い汁気が無いゼンザイ。オヤジ、嘆きながら「なんだよこれ、ゼンザイに汁気が無いじゃないか」と訴えると、役人が答えて曰く。「ハイ、役所ですから、甘い汁は残らず頂きました」ってオチ…。

やはり、笑えないですなぁ、この噺。いまだに同じようなものですよ。

この噺の寓意は「庶民に人気のあるものを国が押さえて利益を抜く」って、今の発泡酒、第三のビールへの課税のようなものです。

もう一つの、前出の噺の寓意は「ややこしい手続きを作って、それで世の中の利益にもならない大量の仕事を増やしている」というもの。

車検がそうです。あれは「車の安全性を確認する」手続きではなく「道路での走行を許可する」ってものです。車検帰りの車の前輪が外れて転がって行ったなんて話、昔聞いたことがあります。
車を買う時の諸経費とやらの不透明さ。自分で名義変更にチャレンジした時、アチコチで面倒くさい手続きをしましたが、その安さ(それほど金はかからない)に驚きました。あれは、面倒くさい手続きをやらせることで、不届きな業者に利益をもたらせているようなもので。

そう言えば、役所だけじゃなくて、会社さんの事務手続きも煩雑になるばかりですなぁ。コンプライアンスやセキュリティとかいって、書類が何枚も増えて、社員でさえ分からないシステムを作り上げる。お見事ですよ。

しかも、そのコンプライアンスやセキュリティなんて、誰かがその気(悪意を持つ)になれば、どうにでもなるような代物。

これは余談ですけど、ある会社で仕事ができると評判の社員が、突然、脳の血流障害によって、認知症を発症してしまったという特番をかなり以前にテレビで見ましたが、原因は、仕事ができるというのが要は煩雑な事務管理能力で、毎日同じことを繰り返していたため、脳の特定の部分の血流が弱くなったとか…。「仕事ができる」=実は、毎日同じ事を繰り返していた訳です。これは笑えない話です。日本の「管理」って多分英語に訳せませんよ。判断や決断が必要な"Management"とは違います。

手続きなるものが全く不要とは思いませんが、行き過ぎは害悪…。

司馬遼太郎の言葉をまた思い出します。

「無能は、管理に走る」。組織の事ですよ。

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