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変 その42「墓の墓場… 粗大ゴミと化す家… 平成の景色」


墓石の墓場前回に続き、新聞記事からの話ですが、ある日の新聞の1面を見て、そこに載っている写真に少なからず驚きました。なんと、石の採掘場の写真かと思ったら、墓石の不法投棄現場とか…。捨てられている墓石の数は半端じゃないです。何でも、墓に参る人が絶えて無縁の墓となり、それで撤去された墓石が、山中に集まり、業者として引き取る場合もあるようですが、「不法投棄」も全国で相当な数に上るとか。既に廃棄物処理法違反で逮捕・起訴されている業者も出ているようです。

産業廃棄物なら既に珍しくも無い事ですが、墓石とは…。不要になった墓石は通常、寺や霊園、石材業者が預かり、最終的には処理業者が破砕するらしいのですが、コストがかかるのと、祟りを怖れて処分しない業者もいるのだとか…。結局、コストでしょ。「祟りを怖れて」なんてのは100%言い訳です。「祟りを怖れる」としたら、まず、寺のボウズや霊園の経営者たちでしょう。彼らが捨てることを決めなければ、墓石は廃棄物にはなりません。

誠に素朴な疑問が湧いてきます。「永代供養料」なるものがありますが、この「永代」とは何なんでしょうか? 誰もその墓に参るものがいない、という事は、その墓の存在を知るものがいなくなるという事ですが、「永代」とはそこまでの事なんでしょうか…。

まあ、ボウズが風俗店を経営する世の中ですから、墓石を捨てる位、何でもないでしょうけど、捨てた後に空いた墓地は、また誰かに「永代供養料」という価格を付けて売るのでしょう。墓地は不動産ではないので、相続の対象にもならないし。葬式仏教もここに極まれり、という事でしょうか…。

その記事が載っている1面に、これまた何とも言いようのない記事がありました。これは以前に本サイトの記事で書いた事ですが、全国の空き家が820万戸に上り、総住宅戸数に占める割合が13.5%で、過去最高になったとか。地方の空き家率が高いようですが、ここ数年は首都圏でも増加しているようです。家もこうなるとドでかい粗大ゴミです。不謹慎ですが、その空き家候補である一人暮らし高齢者世帯も過去最多を更新しているらしく、552万世帯。

私には一面にあったこの二つの記事が繋がって見えます。持ち家率が8割を超える世代は団塊の世代です。彼らがセッセとローンで家を建てたのでしょう。8割という数字は、就業形態の中での雇用労働者、つまりサラリーマンの割合と同じです。つまり、団塊の世代を中心に、国の「持家政策」に乗ってローンを組み、家を建て、今や工業製品となった「家」をあちこちに建てた訳です。で、家の次はお墓…。これも安い買い物ではありません。

そうしたものが、社会資本、つまり「皆が共有できるもの」ではなく、「個人消費」のなれの果てとして、今や「ゴミ」となっているのです。フィリップ・K・ディック(「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の作者、SF作家)が言う所の「キップル(補足説明※29)」、つまり日常生活の中でドンドンと増殖して行く、まさに不可逆的(元の価値には戻らない)な「ゴミ」へとその姿を変えているのです。かつての「豊かさとゆとり」の象徴が…。

これはどういう事なのか? 団塊の世代もその多くは今や65歳前後。サラリーマンとして、リタイヤの世代です。その多くは「昭和」の時代にピークを迎え、「平成」の時代には次々とロートル化して行きます。つまり、(批判している訳ではないのですが)日本の繁栄を支えていた筈の世代が、つまりは社会資本を個人のために食いつぶして、そして「家と墓」という、それまで信じて疑わなかった人生のスタイルを大量のゴミとして「平成」の時代に残した、と言えます。皮肉に過ぎるでしょうか?

批判・誤解を恐れずに言うなら、「昭和への郷愁」とは、そうした大量消費、個人主義(エゴイズム)への「郷愁」であると思います。もはや、そのようなもので社会が成り立つ訳はありません。パラダイムは「平成」の時代に、一気に転換してしまっているのだと思います。

「平成」の時代に必要なのは、そうした「昭和」の残したものの「大掃除」でしょう。かくいう私も昭和世代です。しかし、8割の方では無く、残りの2割の方に入っています。「持つ事」が謳歌された時代に「持たぬ生き方(持てぬ生き方でもありますが…)」を過ごしてきたのもまんざらではなかったような(自己満足、強がり、正当化? 全て当たっているでしょう)。

個人的な思いとしては、まあ、マスコミ造語でしょうけど「悟り世代」というものに必然を感じています。これだけ、ゴミを見せられてはね…。

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