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変 その39「データのマジック 調べ方でどうにでもなってしまう」


データ仕事で企画書を書く時、必ず「データ」なるものを入れます。理由は、説得力が高いからです。いくら知恵を絞って作った企画書でも、「君の考えを聞いている訳じゃない。ちゃんとしたデータが欲しい!」とクライアントに言われてしまいますから。で、「考え」の根拠となるデータを用意します。

しかしですね…、ここがテクニックというか、データ好きの人にはデータを意外と疑わない人が多いのです。逆に、仕事ができる人からは「データならいい。いつでも取れるから。それより、君たちの考えを聞かせてくれ」と言われる事が多いのです。実は、データで「考え」を作り上げる方が、「考え」そのものを煮詰めていくより楽なのです。何故なら、データというのは「どうにでもなってしまうもの」ですから。「データ好きのデータフォリック(病)」という言葉がありまして、データがあったからといって「それが本当」とは限らないのです。嘘とまでは言いません。少なくとも「傾向」はある程度示してくれますから。「データ病」というのは、とにかく何でも裏付けできるデータを要求して、実のところは「考えていない」ことに気が付かないのです。

正直、こんな事を言ってはいけないのですが、「データ好き」の人を相手にするのは楽です。それで納得してくれますから。統計学(数学)的には300のサンプルで傾向値が取れる事になっていますが、実際にはそれより少ない場合がよくあります。という事は、偏り、特異、例外が出てくるという事ですけど、統計データは7~8割まである傾向が出れば「殆ど」という事になります。例えばですけど、笑い話のような話があります。ある町でたまたま入った食堂で、10人の内の5人がカレーを食べていれば、「その町の人は半数がカレー好きである」なんて事が敷衍(広げる)される事もあり得るのです。それは「たまたま」だったのかもしれません。大きな声では言えませんが、サンプル数を水増ししているデータはたくさんあります。

また、細かな属性などを調べずに「定量的」にドンと出すデータもあります。代表はTVの視聴率です。これには個人視聴率と世帯視聴率がありますが、まあ、一般的に視聴率といえば世帯視聴率ですね。その地区の世帯の何%が「その番組を見たか」という「量」です。これが高ければその番組は「高く売れます」。

これはよく知られた話ですけど、某化粧品メーカーが海外の女子マラソンのスポンサーとなり、かなりの視聴率を稼ぎました。スポンサーは喜ぶべきなのですけど、ある疑問を持って独自に調査したそうです。その結果、その視聴者の殆どは「男性」で、メーカーがターゲットとしている「女性」の比率が少なかったそうで、当然、メーカーは即、スポンサーを降りました。世帯視聴率ですから、実際は誰が見ているのか分からないのです。個人視聴率は取るのがかなり難しい。それなりの試みはありますが。

で、大手の調査会社からサンプル数が非常に多い「市場速報データ」を買ったとしても、それが事実であるかどうか分からないのです。なぜなら、100程度の会社に、ある商品の売れ行きを確認しますが、電話でアンケートを取る時、「先月はどれくらいの販売数でしたか?」と聞いて「まあ、200ケース位かな」と答えたとします。調査会社はその数字を足し上げていきますが、その「~位かな」が問題なのです。それより多いのか少ないのか分かりません。1社当たりの事であれば大凡それほど間違った数字ではないでしょうが、その多少の誤差を100社、足し上げていったら果たしてその誤差はどうなるのでしょう。どちらにブれているのか分かりません。

最近、「集団的自衛権」についての世論調査で出てきた数字が、各新聞社ごとに大きく異なっていた事がありますけど、これは「聞き方」「設問の作り方」で大きく変わってくるためです。単純にいえば「賛成」と「反対」だけであれば、旗色は鮮明になるでしょうが、その中に「どちらかといえば~」とか「分からない」といった、選択の逃げ道をたくさん用意しておくと、中間が曖昧となり、そこに答えが集まってきたりします。で、時に大きく結果がブれてしまう、と。

一時期「データ(調査)不要論」なんてものが言われたこともあります。理由は、「データを取り終えた時には、もう世の中は変わっている」という事にあるようです。これはこれで、一理あるような、乱暴なような…。

最近の例で言えば、「働き場所がなかなか無い」といったような傾向から、アッという間に「人出が足らない」という事になっていますが、これもデータの一種(情報)ですから、「誰が調べていたんだ」という事になります。

「データ(調査)不要論」は極論としても、データの前にしっかりとした「考え(仮説)」を持っていなければ、「データに目が眩んで」しまいます。けっこうよくある事なんですよね…。

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