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変 その23「泣ける映画? 泣けた? 泣きたいの?」


玉ねぎ気にしなければ、どうでもよい事なのでしょうけど、どうしても「引っ掛かる言い方」ってあります。まあ、世の中すべてが、自分の理解の範囲内で動くものなどとは思っていませんけど…。しかし、やはり「変」と思えば、考えてしまいます。私は「若者言葉の乱れ」「国語(日本語)の乱れ」などというものに対してはそれほど問題があるとは思っていません。例えば、尊敬語、謙譲語、丁寧語を使いこなせる者が少なくなったというのは、「尊敬する相手」「謙譲する相手」「丁寧に接する相手」が少なくなったから、その役目もあまりなくなり、使いこなす必要もなくなったという事でしょう。「タメグチ」なんて言葉が(ネガティブな意味で)出てくるのは、その証拠じゃないかと思います。多少、悲観的に見れば、「長幼の序(年長者の者に対する敬意、年少者への慈しみ)」「礼、礼儀」なるものが廃れてきているのだろうとは思いますが。もっとも、「形式的」なものである場合が多いかもしれませんので、それは人との付き合い方の中で個人が選択すればよいだけかもしれません。

「ら抜き言葉」にしても、文法的に問題があっても「見れる」と「見られる」で通じる意味が変わる訳じゃないし、もともと方言の中には「ら抜き」なんて珍しくないでしょ。これはある意味、「中央優越、地方蔑視」でもあると勘ぐりたくなる事です

で、言葉に対してそれは「時代とともに変わる」「社会とともに変わる」のが当たり前であると思っているので、言葉使いそのものにはあまり神経質になる必要はないと考えています。もし問題があるとしたらその背景である「時代」であり「社会」でしょう。何かの本で読みましたが、戦争が近づいてくる時、人の言葉が「言いきり」になるそうで…。「それは…である」とか「それは…だ」「やる!」とか。時代の空気が言葉に反映するのでしょう。

それから考えれば、平和な時代は言葉の最後が曖昧になるのではないでしょうか。「それは…じゃないですか」「それは…のようです」「どうしようかな…」って感じで。優柔不断に感じられたとしても、それは「平和」であるという時代・社会を背景にしたものでしょう。

と、ここまで書いて言葉に鷹揚であるかのような事を言いつつ、気になるといえば気になる表現を最近よく見かけて、引っ掛かってます。それは「この映画を見て泣けた」「泣ける映画」などというコピーや言葉を聞いた時です。「泣ける? 泣けた?」。「泣いてしまった…」なら分かりますけど。泣くのは悲しい時、辛い時、痛い時の生理現象ですが、「泣ける」って、皆さん、わざわざそんな事を味わいに行くのですか? 私は「笑えた」「笑った」は積極的に行きたいと思いますが…。「笑いたい」ので。しかし、「泣きたい」とは思いませんし、「泣きたくもない」です。確かに「泣く」事にはカタルシス効果があるのでしょうが、それは泣くほどの状況を和らげるためでしょう。泣く事によって心が静まる生理的システムだと思いますけど…。

「泣けた」という人は、原因である「悲しい・辛い・痛い」をわざわざ求めて行くのでしょうか。「俺を泣かせろ!」とか言って。なんか、三日月に祈る山中鹿之助(幸盛)のような勇ましさにも思えます。「我に七難八苦を与えたまえ!」って…。それともドM…? 私は野坂昭如の「火垂るの墓」というアニメ映画にもなった作品をもう二度と見たくありません。アニメも見ません。絶対に泣きますから。作品名を聞いただけでも涙腺が緩んできます。悲しいもの、辛いものは勘弁してください…です。もし、私が「泣きたい」と思ったら、このアニメ映画をみれば一発です。そして、しばらく落ち込んで、何もできなくなります。

「泣くこと」を積極的に「良い作品である」ようにいうのは、貧困すぎませんか。分かりやすいのでしょうけど…。「泣くに泣けない」ような事って世の中にたくさんあります。私は「特攻」なんて聞くとそんな感情になります。

それで、何が言いたいのか? もしかして今の「時代・社会」ってのは、「泣かせる」のも一つの「サービス」になっているのでしょうか、と思う疑問…。「うん、この映画では泣けたから良い作品だ」なんて…。正直、茶化しのような気分で言ってしまいますが、「泣く」ってそんなに素晴らしい事なのですか? まさか、快感? そりゃ、変ですよ。泣きたくなんかありません、私は!

言葉としておかしくありませんけど、「泣けた」って言葉を見たり聞いたりするたびに、違和感を覚えるというお話でした。

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