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不思議 その80「明治の文明開化 カレー登場! 進化する日本のカレー」


カレー イラスト「不思議」の対象は神秘的な現象や、自然の営み、人間そのもの等々、その対象範囲は相当に広いのですけど、「考えなければそれほどの事でもないけど、でもちょっと気になる」といった日常の中にコロンと転がっているような「不思議」もあります。要は「考えてみれば…」という事なのですけど、ある日のお昼ご飯にカレーを食べている時に、ふと思ったのですが、「カレー味って、なんでこんなに日本人に好かれているのか…」なんてことを考え始めると、頭の中がムズムズとし始めまして…。日本人はカレーが好きな民族であり、カレーメニューがとんでもなく多い「カレー大国」だと思います。数字的に見てもカレー粉の消費(スパイスのひとつとして使うようです)はインドに続いて世界2位だとか…。

この辺りの事は兄弟サイトの「テキトー雑学堂」の「社会・政治 その4」の中で、カレー大国日本に関するおおよその事を書きましたが、これは「他国の文化を取り入れる力を持った日本社会」という視点で書いたものです。ここで考えてみたいのは、「このカレー味を、なぜ日本人は好むのか?」という素朴な疑問です。「カレー味が大嫌い」という人には会ったことがありません。

ちなみに、このカレーを「日本食」であると思っている人がいるそうです。その理由は「ご飯と一緒に食べるから」ということで、なるほどとは思いますけど、インドのカレーもご飯と一緒に食べます。ただし、そのご飯は日本の「粘り気の強いうるち米」ではなく「パサついたインディカ米」です。スプーンではなく、手でカレーと混ぜて食べます。で、そのカレーなのですが、インドのカレーは日本のカレーと違ってサラサラとしており、小麦粉は使いません。日本のカレーは小麦粉を使ってとろみを出しています。これは、インドのカレーではなく、イギリスで開発された「カレー粉」で、スパイスを小麦粉と混ぜて調合したものです。日本のカレーの源流はイギリスにあったのです。

私はサラサラのカレーも好きなので、「スープカレー」を作ることもありますけど、その時に使う「ガラムマサラ」というスパイスがまさにインドのカレーだと思います。「ガラムマサラ」とは、そういった名前のスパイスがある訳ではなく、何種類ものスパイスをミックスして作られるものです。インドの各家庭にはその家庭の味となる「スパイスの調合=ガラムマサラ」があるようです。いわゆる「おふくろの味」のようなものでしょう。イギリスで開発された「カレー粉」もスパイスをミックスしたものですが、その違いは何でしょうか? 食品メーカー(S&Bさん)の解説によると、「ターメリック」を使用しているかどうかにあるそうです。カレー粉には「ターメリック」が使われていますが、ガラムマサラには使われていないそうです。「ターメリック」は日本語で「ウコン」と呼ばれ、あの、カレーの「黄色い色」の元となっているスパイスです。

日本にカレーなるものが登場したのは1872年(明治5年)の事だそうで、まさに文明開化による西洋化の波の中に現れたのでしょう。その時のカレーはどのような姿だったのでしょうか。最初は具が長ネギだけといったシンプルなものだったようです(タマネギはまだ日本に普及していなかった)。それが次第に色々な具材を得て、今の「タマネギ、ニンジン、ジャガイモ」という定番のスタイルが確立したのは明治末期の事であったようです。栄養バランスの良い「総合食」ということで、陸軍や海軍のメニューとしても取り入れられ、カレーを一気に普及させたのでしょう。国産のカレー粉も多く市販され、カレーパンやカレーうどんも登場してきます。昭和初期(1933年ごろ)、食品メーカーのハウスさんが街頭で大々的にカレーの宣伝販売をやっている写真を新聞(朝日新聞)で目にしました。

戦後、学校給食にカレーが登場し、「子どもが大好きなメニュー」として甘口のカレーが家庭内食としても根付いたようです。それ以後カレーは、様々なカレールー、レトルト食品として売り出され、カレーチェーン店の登場によりさらに多様なカレーが登場し、今やインドへの出店を図るチェーン店もあるようです。中国などでも「日本のカレー」が人気だそうです。

ハイ、カレーの事をあれこれ書いているうちにそもそもの素朴な「不思議」を覚えた、「カレー味って、なんでこんなに日本人に好かれているのか…」という疑問に何も答えていないことに、ここでハタと気が付きました…。実は、答えは非常にシンプルなのです。「美味しいから」、なんて言うとバカヤロー扱いを受けそう…。ですが、実はその辺りに答えがあるのです。「日本人の主食であるご飯(うるち米)との相性が好かった」という点にドストライクの理由があったとしか考えられないのです。それに加えて、様々なスパイスの調合により、日本人の好む「旨味」が生まれたいう事でしょう。調合により変幻自在ともいえるカレー。その創造性のある素材・調理が「日本人が好む味」を創り上げ、果ては世界にも進出できる料理を創り上げたのでしょう。

エー、本記事の〆として、ここで一つ、笑い話のような本当の話(多分)をひとつ。インド人が日本のカレーを食べてこう言ったとか…。「美味しい! これは何という料理ですか?」。まさに、日本のカレーがそもそものインドのカレーとは全く違うものに進化してきたという事なのでしょう。

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