不思議 その67「興味はあるけど、考え始めると頭痛が… 素数ってやつ」

「数」ってことになれば「自然数」「整数」「有理数」「無理数」「実数」「虚数」等々、頭痛のタネに困らないくらい様々にありますが、それらをすべて理解できているわけでは全くないのですけど、「虚数」一つとっても頭の中でイメージしようとすれば、まさに「虚しい」空間が頭の中に広がっていきます。まあ、門外漢故に面白い対象ではあるのですが、これが「素数」ということになると、「虚数」以上に寄り所のないイメージが頭の中を走り回ります。誰だったか忘れましたが、有名な数学者でさえ「数を厳密に定義するのは難しい」と言っています。まあ、それは我々が日常的に駆使する「言葉」でも似たようなものなのですが、「数学」というものを一種の「言語」であると考えれば、それを通常の「言語」の力で「抽象概念として捉える」ことは可能な筈です(と思います…)。
って、もう頭が「腰砕け」で、無理に言葉を綴っているような状態です。何とか踏ん張って、何故、特に「素数」に対して私が興味を持っているか、不思議と感じているかを少しでも論じねば…、と足が俵に掛かっているような状態で考えてみます。「虚数」や、それと「実数」とを組み合わせた「複素数」なんてのは、実際には存在しない数字で、故にけっこう勝手なイメージの中で遊ぶことができるのですけど、「素数」ってやつには現実世界での「使用価値」が厳然としてあるのです。数を数えるための実用的な「自然数」並みに…。
「素数」は日常的に多くの人がお世話になっているのです。インターネットで広く使われているセキュリティに利用されているのがこの「素数」なのです(ということです…)。具体的には、「秘密鍵=2つの素数」と「公開鍵=秘密鍵の2つの素数の積」です。「公開鍵」で情報を暗号化し、「秘密鍵」でその情報を複合化することでセキュリティを確保している、ということです。で、その「素数」の桁が大きければ大きいほど、その「積」の「素因数分解(二つの素数を割り出す)」が困難となり、セキュリティがより強固なものとなります(ということです…)。ちょっと、頭が泡立ってきましたが、構わずに行きます。
では「素数」とは? 2、3、5、7等々、自分自身と1以外では割り切れない数字ですが、1自体は長く「素数」であるかどうか議論されてきたようですけど、現在では1を「素数」とは見なさないということだそうです。これには「素因数分解の一意性」が成立しないという理由があるようですが、この辺はすっ飛ばして次に行きます。「素数」は「これ以上は分解できない数の元素、基本の数:Prime number」ともいわれるそうで、「素数」の掛け算であらゆる「整数」が作れるそうです(ということは便宜上、1も素数とみなすということか? ま、いいか…)。この「素数」は無限に存在することは証明されているようですが、その並び方に規則性は見えてこないようで、つまり、次の素数がいつ現れるのか分からないということです。
で、この最大の「素数」を見つけるということは、「使用価値」としてはより強いセキュリティを得るということですが、数学者はそんなことよりも、この不思議な性質を持つ「素数」自体に魅力を感じているようです。2013年には1742万5170桁の「素数」が見つけられたそうですが、学者たちのチャレンジはそれこそ無限です。2016年には2233万8618桁の「素数」が発見されたとのことです。パソコン千台近くの空き時間にそのリソースを使って、ひたすら計算し、万の単位もある「素数」候補を調べ上げ、記録的な「素数」を発見するそうです。
これからも気の遠くなるような桁の「素数」が現れるのでしょう。見つけた「素数」を読み上げていたらいつの間にか白髪のお爺ちゃんになっていた、というアメリカのジョークがあります。「素数」が電子商取引の強力な暗号となることは分かりますが、無限にある「素数」の最大値を求める「数学」の力の源泉はどこにあるのでしょうか? 比較的理解がしやすく、実用性さえある「素数」について考えることにトライするとき、数学者が「数学」でもって描きイメージする世界に憧憬に近い興味を覚えます。根本的な「数って、何?」「世界は数学的にどのような構造になっているか?」…。「素数」に "E=MC2" と同じくらいの美しい世界さえ感じます。ハイ、もうとっくに頭がスカスカです。しかし、ド素人が何度頭をショートさせようとも、魅力のある世界がそこにはある(筈)なのです。それは、不思議で不思議で…。数の元素って、何?
比較的「分かりやすい」と思っていた「素数」について考えると、なまじ取っつきやすいためか、頭蓋骨の中で干からびた脳みそがコロンコロンと言っているような気がします。
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