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不思議 その29「ブレーキの効かない自転車! 瞬間移動!?」


自転車「もう、ダメかっ!!!」と思われた事のある方、様々な経験の中で、色々といらっしゃるのではないかと思います。ヒヤッとかドキッとかではなく、一瞬、頭の中が真っ白になって、「一巻の終わり」を覚悟してしまうような経験…。自動車の運転などではヒヤッも、ドキッも経験する事はありますが、命の危険までを感じた事はありません。

10歳になったかならないかくらいの子供の時ですけど、乗っていたのは自転車です。住んでいたのは山間部ですから、道は全て坂道です。子供心に自転車を操るというのは楽しく、初めて乗れるようになった時の嬉しさは、皆さんご記憶にあると思います。私は自転車を買ってもらえなかったので、友達の自転車で練習して乗れるようになりましたが、周りの子供たちよりも乗れるようになるのが遅かった…。で、それくらいの歳の時に、やはり友達の自転車を借りて遊んでいました。如何せん、坂ですから、登りはしんどいのですが下りは楽しい。一体、子供が乗れる自転車で時速何キロくらいまで出るのか分かりませんが、子供心にしてはけっこう下り坂でスピードを出して遊んでいました。

で、ある友達(比較的裕福)が自転車を2台持っていて、古い方の自転車を私に貸してくれました。その友達、父親が、趣味人というか、色々と子供に付き合って自転車に手を加えて楽しんでいました。例えば、ライトをダブルにしたり、自家製のハンドルを作ったり、けっこうカッコいい改造自転車だったので、羨ましく思っていました。その友達の古い自転車を貸してもらったのです。古い自転車ですからそれほど目立って「改造」してあるところは無かったのですけど、ちょっと、説明しにくいのですがブレーキ・ハンドルに手を加えてありました。

後で思えば、それをちゃんと教えてくれるか、私が聞いておけばよかったのですけど、遊びですから早速自転車に乗って坂を上がって行きます。登りですからブレーキの事など関係ありません。ある程度登ったら反転して、そこからが楽しいスピード・ゲームです。早速、友達の方が下って行きます。新しい自転車だからかっこいい。早速、「わしも!(方言)」とばかりに、私も坂を下って行きます。グングン加速して、子供心にアドレナリン全開です。

で、坂を下った所はT字型の交差点(田舎道ですけど)で、その向こうは簡易なガードレールがあって、向こうは深い堀の川になっています。まだ護岸はされていませんでしたが、川の氾濫に備えて、両岸が高くなっている川です。水は少なく、岩がゴロゴロとしています。そこも、子供の頃の恰好の遊び場でした。交差した道路の向こうに行ける道はありますが、そのためにはクランク状に曲がっていかなければなりません。坂の横にも川があって、それが支流のような形で坂道の下をくぐり、その堀が深い川に小さな滝のようになっているという田舎的な景色です。

とにかく、如何にスピードを出していようが、交差する道の手前ではブレーキをかけて減速し、クランク状の道を曲がってその先に行かなければなりません。変則的な交差点です。前を行っていた友達は交差点の前でブレーキをかけて減速し、車がいないのを確認して(田舎ですから殆ど車は走っていません)、そのままクランクを曲がって向こうの道に抜けて行きます。

私も交差点に近づき、ブレーキを掴んで減速しようとします。ここからです…。ブレーキを握っても、全くブレーキが効かないのです! と、いうよりも、ブレーキレバーが固着したように全く動かない!ここが少し説明がややこしいのですが、要は、ワイヤー式のブレーキではなく、昔の(今でももちろんありますが)鉄のレバーを機械的に動かしてドラムブレーキへと力を伝えていくタイプで、ブレーキ部分がハンドルの形状に沿って付いているやつです。そのブレーキハンドルをなんと酔狂な事に、ハンドルの握りの上にブレーキハンドルを曲げて、逆に付けてあったのです。父親の手による改造でしょう…。なんちゅうオヤジや…。

普通、単に一緒に握ればブレーキが効くと思うじゃないですか…。それが全く効かない! 交差点が見る見る迫ってきます。正面にはガードレール、向こうには岩がゴロゴロとした川(二階くらいの高さは楽にあります)!もう頭が真っ白です。子供ながらに「車が来たら…!」「ガードレールにぶつかったら、自分だけ飛んでいく…!」とパニックです。泣きそうになって必死でブレーキレバーを握ります。が、ブレーキは効きません。人が最期を迎える時、周りがゆっくりとスローモーションのように動き始めて、今までの人生が走馬灯のように駆け巡るといいますが、走馬灯は走りませんでした。子供ですから、それほど長い人生を味わっていなかったので…。ただ、記憶の中ではスローモーションのような感じは味わいました。ガードレールに自転車がぶつかり、自分はその向こうの川に放り出される! 「もう、ダメじゃっ!」 と、思った時、フワッとしたような感じになって、ホンの一瞬の事ですけど、気が付いた時には、クランク状の向こうの道へ抜けていました。そちらは坂ではなく平坦な道でしたが、勢いで自転車はそのまま走り続けます。友人は自転車に乗ったまま私を待って後ろを振り返っていたそうですが、その横をけっこうなスピードで私の乗った自転車が走り抜けていきます。で、けっこうな距離を走って、やっと止まりました。私、頭の中が真っ白なまま…。

ブレーキの説明ですけど、お分かりかと思いますが、ワイヤー式ならともかく、下のブレーキハンドルを上に曲げて付けてある訳ですから、ハンドルを握るのではなく、上に押し上げないと効かない構造になっていたのです。そんな事、子供の頭では分かりませんし、そんな危ない改造をするかよ…、普通…。

友達が追い付いて来て興奮気味に言います。「わりゃ、すごいのお! あそこ、一気に曲がって! 川に落ちたか、思うたで!(方言)」。私も川に落ちたと思った…。こっちは、まだ頭が真っ白で、小便はちびっていませんでしたが…。友達が言うには、あのクランク状の変則交差点を猛スピードでそのクランク状に曲がって来たそうです。私、記憶が殆ど無い…。気分的には、瞬間移動です。しかし、人の身体は、死にそうな危機にあった時、信じられないような動きをするのでしょうか…? 「火事場のクソ力…」。どのようにノーブレーキの自転車を操ったのか記憶にありません。川底に飛んでいくイメージしか無かった…。

繰り返しますが、まさに瞬間移動したような気分なんです。今でも思い出しますが、あそこのクランクをノーブレーキで曲がって抜けてみろなんて、大人でも不可能です。いくら子供で体が軽かったとはいえ…。死んだと思ったら生きていた、とはその時の気分です。とても説明はできませんが、一瞬だけ、とんでもない運動能力を発揮したのでしょう、多分…。私、運動神経が良い方ではありませんが。

しかし、あの時、田舎道とはいえ、たまたま車が来ていたら…。どうなっていたのやら…。

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