「不思議」「怖い」「変」を普通に考える。タイトルバナー

不思議 その2「幽霊はいるのか、いないのか…②」


幽霊画 右の画像は一般に丸山応挙が描いたと言われる幽霊の掛け軸です。これが日本の幽霊の原型になったのでしょう。他にもいろいろな絵師が幽霊を描いていますが、殆どの共通点は「足がハッキリと描かれていない」という事。それで幽霊らしきものに出会ったら「足があるかないか」確かめるのでしょう。

おそらく、幽霊の怪しさ虚ろさを表すのに下半身を明確に書かなかったのだと思います。それが定着したのでしょう。確かに、これにハッキリとした足が描かれていたら、怪しげながらもただの人物画になりかねないですよね。しかし、私が見た幽霊らしきものには足がちゃんとありました。

朝、母親に昨夜見た老女の後姿、髪型など、子供ながらに拙く告げたら、「多分、それならあんにの(あの人の、の意)おばあさんじゃろ。何か心配して出てきたんじゃろか…。お父さんの身体がどっか悪いんかねぇ(瀬戸内海沿岸某地方都市の方言)」のような事を答えました。ちなみに母親は本人の性格がそうなのか、古い田舎者なのか、そういった事を全く否定もせず、淡々と受け入れていました。ですから、子供である私も、ああ、そういうものなのか、と思っただけです。ちなみに私の父方のおばあさんは、私が生まれる前に死んでいます。

その時見たものを錯覚だとか、夢だとか自分で考えた事はありません。「事実」として今も記憶に残っています。

これをモチーフとして幽霊なるものを考え、否定的意見を言おうとすればたやすい事です。「子供の夢の話」「寝入りばなの錯覚」「薄暗い部屋での見間違え」「子供の作り話」等々。その一切を否定しません。そうかもしれません。

しかし、父親はその後確かに腎臓を患い、長く病院に通い、それほど長生きはしませんでした(とはいえ、60越えまでは生きましたが)。これも事実です。

とにもかくにも、これが私の初めての幽霊体験です。自分でもあれは何だったのかなんて分かりません。否定するのは簡単なのですが、記憶の中にハッキリと残っています。

ここからが「いるか、いないのか」の思考実験なのですが、変な例ですけど、「カバはいるか、いないか」という命題に対して、「カバはいる」というのは特称命題であり「カバはいない」というのが全称命題となります。数学の好きな人はご存知でしょ(補足説明※1)。まず、「カバはいる」という特称命題の証明は比較的簡単です。カバを実際に連れてきて「はい、カバはいました」とカバを皆に見せればいい訳です。それに引き換え「カバはいない」という全称命題の方を証明しようとすれば、全世界、全宇宙をそれこそ石ころをめくって、穴を掘って全てを確認して「はい、カバはいませんでした」と大変な労力を必要とします。

つまり、「幽霊はいる」という特称命題を証明するには「はい、これが幽霊です」と連れて来ればいい訳です。「幽霊」であって「幽霊みたいなもの(お化け?)」ではだめです。この辺りによく紛い物が出て来る「見世物的」な歴史がある訳でして。で、「幽霊はいない」を証明しようとすれば、先のカバの例のように、宇宙にまで旅立つ必要が出てきます。皆様はどちらが難しいと思われますか? 小難しくなりますが、数学的には全称命題でもって特称命題を否定する方が難しいのです。

かといって、「ハイ、これが幽霊です」なんてのも難しいですよね。ここで、一番最初の「幽霊の定義」に戻る訳ですけど、それが無ければ、幽霊を連れてきてもそれが本当に幽霊なのかどうか分かりません。故に幽霊に関する特称命題はなかなか証明されないという事になります。

つまり、と言う事は、幽霊なるものは人の五感、精神性、誤謬さえも含んだ感受性の中でしか象徴的に存在しえないと言う事になります。それは「受け入れている」と言う事です。否定も肯定もできない訳ですから。私は幽霊よりも、生きている人間の方が不思議です。なんで、生きて、考えて、私という意識があるのか。その不思議さに比べれば幽霊などは可愛いものです。生きている人間の影のような存在です。レトリカルに偏って表現すれば、人間と幽霊は同じものとも言えます。人間がいなければその影(?)である幽霊もいない訳で。

本テーマの答え、「幽霊はいるかもしれない」です。まあ、ガッカリしないでこの答えを受け入れてください。さっきすれ違った人は、幽霊かも、です。

ちなみに、本編での考え方は「UFOはいるのか、いないのか」「宇宙人はいるのか、いないのか」でも同じような考え方ができます。UFOは「Unidentified Flying Object」の略ですが、これも定義から行くとけっこうややこしそうです。空を飛んでいるものは全て対象になりますから。宇宙人の場合は、定義を「宇宙に住む知的生命体」ということで考えれば「人間も宇宙人である」訳で「いる」が答えですね。

「不思議」を考える編 目次へ



【商品検索】Powered by Amazon

↑「すべて表示」をクリックするとAmazon.co.jpの検索結果一覧に移動します。

■これからギターを始められる方のご参考にでもなれば。
木の音 バナー
「雑学を楽しむ」サイト
テキトー雑学堂 バナー
「花を楽しむ」サイト
花を飾る バナー


■サイトポリシー ■プロフィール
■お問い合わせ
ページトップへ戻る

Design by Megapx / Template by s-hoshino.com
Copyright(C) Ureagnak All Rights Reserved.