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不思議 その12「何十年も前から幽霊が出ると言われている場所」


栗林 何十年も変わらない風景があります。そして、何十年も、周辺の住人が代わろうとも同じように言われ続けていることがあります。「あそこの栗畑には、夜な夜な幽霊が出る」と。最初にその場所を目にしたのはン十年前。色々な事情で家人の実家でマスオくんをやっていたころ。都心からはけっこう離れていて、その当時はこれが首都圏の(中にある)光景かと思えるくらいド田舎の田園風景。その中を夜遅く帰宅していました。

ちょうど家への順路の真ん中くらい(駅からけっこう歩きます)に広い畑があって、一体何坪くらいあるのか分からないくらいの広さです。楽勝で野球もサッカーもできます。しかし、土地だけはあっても農耕の担い手がおらず、長くそのままになっていて、マンションを建てても採算が取れるような場所ではないのでしょうけど、結局そういう場所は「栗林」になるようです。何故か? 誰から聞いたのか忘れましたが、栗は一度植えておけばそれほど手が掛からず、放っておいても、毎年栗の実がちゃんとなるそうです。

要するに、農業用地を自分の土地として維持するためには、何か作物を植える必要があるため、一番手の掛からない栗を植えておくそうで、そうすればその土地は利用されている農地、ということになるそうです。それで、当時私の住んでいた場所は東京の東隣の県ですが、ここは統計上、日本でも有数の「栗の産地」になっているそうです。農業の担い手が不足し、他に転用もできない土地があちこちにあると言う事でしょう。余談ですが、もったいない…。

で、そこに「出る」そうです。何でも、昔、その栗林を所有する農家の倅に好きな女ができて、結婚しようとしたら、親の反対を受け、それを儚んでその栗林の木で首を吊ったとか。かなり昔の話だそうで、その首を吊った倅の幽霊が出ると聞きました。けっこうその辺りでは有名な話でした。悲恋物語としてはどこにでもあるような話ですが、何故、結婚に反対をされたのか、どのような経緯があったのかは誰もあまり知らないようです。要するに、詳細は抜きにして、「出る」事だけが名を馳せている場所です。

しかし、そこがあまりにも職場から遠いので、都心に近い場所に引っ越し、その栗林とも縁遠くなりましたが、ン十年を経て、そこへ事情があってまた戻ってくる事になりました。そこで不動産屋(私より若い)と一緒にその栗林を通りかかった時に聞かされたのですが、「お客さん、ここの栗林は出るので有名なんですよ」。私、とっさに笑いそうになりました。言われて思い出したくらいです。栗林は周辺の景色が若干変わっていたものの、林自体はかつてと全く同じ姿で広がっていました。「へえ、そうなんですか…」と神妙な顔でとぼけていましたが、この手の話というのはしぶとく生き残るものなのですねえ。

それで、夜、その栗林の横を通って帰宅する生活がン十年ぶりに再開した訳ですが、相当に広いので、通り過ぎるのにも時間がかかります。どこら辺りに出るのか、目を凝らして林を眺めるのですが、何度か白っぽいものが動いているような気配が見えた事はありますが、それぞれに位置が違います。その白っぽいものに近づいてみようかと思う事もありますが、(昔はあったのか覚えていないのですが)今は塀に囲まれていて、容易に中には入れません。

一度、足を止めてその広くて暗い空間をしばらく眺めていたことがありましたが、目の錯覚か、何かの具合(光の反射、風で揺れる枝等)で、それっぽいものが見える時があります。人のような…。それが幽霊なのか、そうでないのかは誰にも実証できません。

しかし、そうした話がン十年という決して短くない期間をまことしやかに残っている方が不思議です。周りの人も変わっている筈なのに、どうして、途切れることなく語り継がれるのか? 別に歴史的に由緒のある場所でもありません。何かの本に出たような場所でもありません。特に何かがあるというような有名な場所でもありません。ただのだだっ広い栗林です。

本当に出続けているのでしょうか? 何人もの人が見ているのでしょうか? その幽霊もン十年、この栗林で迷い続けているのでしょうか。私が時々目にするものを「あれは幽霊!」と言えば、「見間違え」と言われるのか、「私も見た」と言う事になるのか、とにかく長い間その話は生き残っているのです。

「火の無い所に煙は立たない」と言いますが、「幽霊が出る」と言われる事実が、あるのでしょうか? 本当に出るのならそれが一番理解しやすい。

それとも人は、共通して実は幽霊がいる事を信じ、出てくれることを「期待?」し続けているのでしょうか。そういったン十年も話が続くというのは、幽霊よりもそちらの方が不思議です。

ちなみにその栗林の手入れをしているのは、相当にお年を召したおばあさんですが、話に聞くと、そこで首を吊ったのはその方の息子さんだとか。作り話かどうかは分かりませんが、その栗林をいまだに手入れしているのが年老いた母親だとしたら、目頭が熱くなります。

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